THE WIZARD OF OZ - 4K UHD BLU-RAY
with DOLBY VISION, HDR10+ and DOLBY ATMOS

THE WIZARD OF OZ Turns 80
With a Legacy That Winds Like the Yellow Brick Road

Release Dates (Theater):Original Release August 25, 1939(USA)
Re-release
・June 1, 1949
・June 17, 1955
・May 19, 1989
・November 6, 1998
・January 4, 2002
・December 15-November 23, 2007
・August 20-September 23, 2009
・September 5-September 12, 2014 (IMAX/3D)
・February 18, 2018
・January 27, 2019
Domestic Total Gross:$24,790,250
(Foreign: $26,120,538)

US. UHD BLU-RAY

BEST BUY EXCLUSIVE STEELBOOK

画像: screen capture - The below screen captures were taken directly from the UHD BLU-RAY disc

screen capture
- The below screen captures were taken directly from the UHD BLU-RAY disc

FILM

御年80歳。いまさら申すまでもない、映画史に燦然と輝く名画クラシック。家ごと大竜巻に巻き上げられた少女ドロシーが、魔法の国オズに降り立って体験する冒険旅行が描かれる。家が落ちた先には悪い東の魔女がいましたが、その反動で魔女はつぶされてしまいました。原作はライマン・フランク・ボーによる児童文学書。文字では描き切れない映像とサウンドの魔法がたっぷり、とりわけセピア色の映像から総天然色のテクニカラーワンダーランドへ移り変わる場面はあまりにも有名だ。

画像: 4K/BD【予告編】『オズの魔法使』11.20リリース www.youtube.com

4K/BD【予告編】『オズの魔法使』11.20リリース

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主演はジュディ・ガーランド。製作に当たったMGMは「わが社専属のクラーク・ゲーブルとジーン・ハローを貸し出すから、おたくのシャーリー・テンプルを使わせてくれないか」と20世紀フォックスに打診した。だが(当時10歳の)テンプルちゃんは超売れっ子で、あっさりと断られることに。そこで苦肉の策としてMGM専属のジュディを起用することとなった。当時16歳という年齢にいささか無理があったが、体躯が小柄であること、脇を大柄な助演者たちで固めることでカバーした。結果はご覧の通り。加えて澄み切った歌声で主題歌『虹の彼方に』を熱唱、大成功を収めたのである。

共演にバート・ラー、ジャック・ヘイリー、レイ・ボルジャ、ビリー・バーク、マーガレット・ハミルトン。監督のヴィクター・フレミングは、『オズの魔法使』と同じ年(1939年)に映画史上空前の超大作『風と共に去りぬ』も発表するという、信じ難い快挙を打ち立てた。

画像1: screen capture

screen capture

VIDEO

撮影はハロルド・ロッソン。『悪い種子』『アスファルト・ジャングル』『東京上空三十秒』『ブーム・タウン』でオスカー撮影賞(白黒部門)に輝き、本作でカラー部門のオスカーを獲得した。劇場公開時の色彩監督はテクニカラーの色彩監修者であり、『風と共に去りぬ』ほか数々の名作(300作品以上)を担当したナタリー・カルムスが務めている。

80周年を記念したリリースでは、オリジナル・ナイトレート・テクニカラーネガ(3ストリップネガ=R/G/B)を使用。これはニューヨークのジョージ・イーストマン博物館の保管庫から回収したものだ。レストレーション監修は『2001年宇宙の旅』『シャイニング』と同じく、ワーナー・ブラザーズ・モーション・ピクチャー・イメージング(WBMPI)が担当、新たに8K解像度および16ビットカラーでスキャニング(70周年記念版は8K/10ビット・スキャン/同・75周年記念版)。その後、4Kデジタルレストア/HDRグレーシングを施し、DIファイルは4Kとなる。総監修はWBMPIのボブ・ベイリー(オペレーションおよびセールス担当副社長)。グレーディングは同じくWBMPIのカラリスト、ジャネット・ウィルソンが監修。前述『2001年宇宙の旅』『シャイニング』も担当しているジャネットは、過去20年間に渡りすべての『オズの魔法使』のグレーディングを行っている。そのHDRはHDR10/HDR10+/ドルビービジョンを採用。映像平均転送レートは63.3Mbps(HDR10+)+64Kbps/0.064Mbps(ドルビービジョン)。収録アスペクトは1.37:1。ちなみにBLU-RAY/75周年記念版はVC1圧縮、映像レートは30Mbpsとなる。

画像: How Technicolor changed movies www.youtube.com

How Technicolor changed movies

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この80歳の4K映像は驚異的。決まり文句で申し訳ないが、昨日作られたような映像を披露している。これまで視認できなかった映場情報が刻印され、誰も観たことがないテクニカラー美術画を堪能できよう。オスカーにノミネートされた視覚効果もご機嫌。ただ勘違いして欲しくないのだが、当時の技術や撮影機材で創造された映像は、いかに解像度を上げても明瞭化されないディテールもあり、これを理解されたうえでお楽しみいただきたい。とはいえレストレーション工程では(明瞭となった)吊りワイヤーを消去しており、必要に応じて追加のデジタル修復を行っている。こうした修復箇所は僅少であり、もちろんフィルムグレインを決してリデュースすることなく、たとえばメイクアップの粗などのディテール等をそのまま残しつつ、全編を通じてフィルムの素材品質が持ち得るニュアンスや触感を蘇生させている。最新デジタル作品を見慣れた向きには映像に宿る粒子感に違和感を覚えようが、これぞフィルムの歴史の証明であり、規則正しく流れるような粒子感に舌鼓を打たれたい。HDR10、HDR10+、ドルビービジョンのいずれを選択しても、目を瞠る映像体験が得られるが、総合的には(低レート値ながら)ドルビービジョンに軍配が上がる。

明瞭度とコントラストの拡張は誰の目にも鮮やか。ジュディのそばかすは愛らしさを増し、瞳の輝きはスタア女優の貫禄までも醸し出す。案山子、ブリキ男、ライオンの可触的なメイクアップ、衣装の質感はどうだ!ドロシーが歌う『虹の彼方に』で開幕するセピア・シークエンスにおいても、3D感覚の深度表現、ドロシーの衣装やの干し草のディテールは驚くべきものがある。茶系単彩モノトーンの階調や深みも見事だ。いよいよテクニカラーワンダーランドの扉が開くと、HDRとWCG(広色域)の効果はフルボディ。ドルビービジョンでは視覚的インパクトをより高めることに成功しており、色彩は弾むような印象に止まらず、視覚を酔わせるような眩しい活気で満たされる。 3色分解テクニカラーはしばしば人工的に見える欠点を指摘されるが、ここではファンタジー世界の濃密なムードの立役者となり、おそらく『オズ』ジャンキーであっても、はたまた筋金入りのシネフィルであっても、これほどに白から黒までのあらゆるカラースペクトルを網羅した映像を観たことがなかろう。加えてスタジオの人工照明が創り出す光と色の無限の階調を再現してみせるのだからタマラナイ。お馴染みイエローブリックロードは虹色の光沢で染め抜かれ、赤とピンクのケシ畑は生々しく、官能的とも言える香気を放ち、万華鏡のような光彩に包まれたエメラルドシティに息を呑む。はたまた煌めくグリンダの王冠と宝石、光沢の密度が増したドロシーのルビーの赤い靴、さらには邪悪な魔女が放つ火炎が燃えさかる。これはほんの一部の光彩色彩マジック、何処をとってもテクニカラーワンダーランドの金太郎飴、わずかな瞬きすら許さない。嗚呼、なんてシアワセな1時間41分45秒なのだろう。

画像2: screen capture

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AUDIO

サウンドデザイン/音響監督は、『アニーよ銃をとれ』『ショー・ボート』『雨に唄えば』など数々の名作を手掛け、なんと14作品でオスカーに輝くダグラス・シアラー。収録されるDTS-HD Master Audio 5.1トラックは、75周年記念版で使用された5.1ch音声トラックと同じもの。音声平均転送レートは3.679kbps(24ビット/48kHz)。 オリジナル・モノーラルトラックと音楽/効果音トラックは同梱BLU-RAY版に収録(同・75周年記念版)される。日本語吹替音声日本語字幕収録。

ドルビーアトモスやDTS:Xサウンドトラックのリミックスは行われず、イマーシヴサラウンド・ジャンキーは肩を落とされようが、個人的にはその判断を高く評価したいと思う。確かに竜巻シーンなどは没入感を増すことだろうが、本作においてはそれも必要なかろう。どうしてもという強者はアップミックスがお薦め。サラウンドアクションは適材適所(音楽アンビエントに顕著)、控えめに拡張されたサウンドステージと古典サウンドトラックに忠実かつ豊かなナチュラル品質のミックスを披露。明らかにフロントステージ重視のサウンド・パフォーマンスではあるが、シーンによっては明快なイマーシヴ効果を享受できる。攻撃的なローエンドとは無縁だが、楽曲や効果音に量感を与えている。75周年記念版と同様と前述はしたが、新たな整音は施されており、分解能や明瞭度が高まっている。長年に渡って本作のシネソニックを磨き上げてきた、音響技術者たちの成果であり、テクニカラーワンダーランドを補完する整音においても抜かりはない。発声は微妙なアクセント表現を含めて終始明快、英語学習の教材にも使えることだろう。なかでもオスカーを獲得したハーバート・ストサート(『戦艦バウンティ号の叛乱』『心の旅路』)のスコアは、80年前の作品とは思えないダイナミックスケール、優れた忠実度、心地よい音色の深さを有している。すべてのボーカル・パフォーマンスが強化され、お待ちかねの『虹の彼方に』は音彩ハイライトのひとつと言えよう。

画像3: screen capture

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FINAL THOUGHTS

『オズの魔法使』はハリウッドならではのファンタジー映画の大見世物だ。CGでは描画不可能な偉大なるテクニカラーワンダーランドは最大の観どころ、シネフィルならば絶対に観逃がせない。この名画クラシックを細心の注意を払い、最新技術を駆使して蘇らせたワーナー関係者に大きな拍手を送りたい。これは21世紀における奇跡のひとつ。必見!

SPECIAL FEATURES

4K UHD BLU-RAY DISC:

  • Audio Commentary
    • This group track features John Fricke with Barbara Freed-Saltzman, Margaret Hamilton, Ray Bolger, Jack Haley, John Lahr, Jane Lahr, Hamilton Meserve, Dona Massin, William Tuttle, Buddy Ebsen, Mervyn LeRoy and Jerry Maren, and has been included on almost every previous Blu-ray release of the film.
  • The Wonderful Wizard of Oz: The Making of a Movie Classic
    • This charmingly dated 1990 CBS TV documentary (which celebrated the film's 50th anniversary) is hosted by Angela Lansbury; as mentioned earlier, it has not been included on any Wizard of Oz home video release since 2009's 70th Annivesary Emerald Edition. Please refer to that review for a more thorough description of this 51-minute documentary.

BLU-RAY DISC:

This disc is identical to Disc 2 of the 75th Anniversary Edition extras listed below, which are mentioned in name only.

  • Audio Commentary
    (same as above)
  • The Making of The Wizard of Oz
  • The Wonderful Wizard of Oz Storybook
  • We Haven't Really Met Properly…
  • Music & Effects Track
  • Original Mono Track
  • Sing Along Tracks
  • Audio Jukebox
  • Leo is on the Air Radio Promo
  • Good News of 1939 Radio Show
  • 12/25/1950 Lux Radio Broadcast
  • Stills Galleries
  • Trailers

SCREEN CAPTURES

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DISC SPECS

TitleTHE WIZARD OF OZ:80TH ANNIVERSARY EDITION
ReleasedOct 29, 2019 (from Warner Bros.)
SRP$41.99 (amazon: $22.96)
Run Time101min
CodecHEVC / H.265 (Resolution: 4K / DOLBY VISION / HDR10 / HDR10+ compatible)
Aspect Ratio1.37:1
Audio FormatsEnglish DTS-HD Master Audio 5.1 (48kHz / 24bit), French / German Dolby Digital 5.1, Spanish Dolby Digital 2.0, Spanish / Czech / Hungarian / Polish / Russian / Thai / Japanese Dolby Digital 1.0
SubtitlesEnglish SDH, French, German SDH, Spanish (Castilian), Dutch, Chinese, Korean, Japanese, Spanish (Latin America), Thai, Czech, Hungarian, Russian, Polish, Arabic

FILM SPECS

タイトルオズの魔法使
1939
監督ヴィクター・フレミング
製作マーヴィン・ルロイ
製作総指揮N/A
脚本ノエル・ラングレー, フローレンス・ライアソン, エドガー・アラン・ウールフ, 《原作》ライマン・フランク・ボーム
撮影ハロルド・ロッソン, 《色彩監督》ナタリー・カルムス
音楽ハーバート・ストサート, 《作詞》E・Y・ハーバーグ, 《作曲》ハロルド・アーレン
出演ジュディ・ガーランド, バート・ラー, ジャック・ヘイリー, レイ・ボルジャー, ビリー・バーク, マーガレット・ハミルトン, チャーリー・グレープウィン

4K画質評価

解像感★★★★★★★★★★10
S/N感★★★★★★★★★9
HDR効果★★★★★★★★★★10
色調★★★★★★★★★★10
階調★★★★★★★★★★10

音質評価

解像感★★★★★★★★★9
S/N感★★★★★★★★8
サラウンド効果★★★★★★★7
低音の迫力★★★★★5

SCORE

Film★★★★★★★★★★10
Image★★★★★★★★★★10
Sound★★★★★★★★☆☆8
Overall★★★★★★★★★★10

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