明日から東京ミッドタウン日比谷で「日比谷シネマフェスティバル」が開催される。それを記念して、日比谷ステップ広場においてソニーPCLが企画・製作した映画『ルパン三世THE FIRST』の特別企画「ルパン三世THE FIRSTインタラクティブシアター」の体験会が開催された。

 『ルパン三世THE FIRST』は同作の23年ぶりの劇場長編アニメーションとして今年12月6日(金)に公開される。今回の「ルパン三世THE FIRSTインタラクティブシアター」は、会場広場の大型ビジョンと2つの会場で、その作品世界に入り込んだような新しい映画体験ができるイベントだ。

画像: 会場に設置された400インチの大型LEビジョンをスマホカメラで撮影すると、スマホ画面にARキャラクターが登場する仕組み

会場に設置された400インチの大型LEビジョンをスマホカメラで撮影すると、スマホ画面にARキャラクターが登場する仕組み

 その目玉企画ともいえる「シネマARマッピング」は、屋外の大型ビジョンに映し出される作品映像に専用アプリをインストールしたスマートホン(iOS/Android)をかさすと、キャラクターがスクリーンの外に飛び出してきたかのように見えるというもの。

 しかも従来のARでは難しいとされてきた、スクリーンの映像と同期したストーリー展開を実現。大型ビジョンから逃げ出したルパンが、スマートホンの画面に現れ、加えてその場にいる観客全員が同じタイミングでコンテンツを楽しむことが出来るのもポイントという。

 ほかにも、2種類のフォトブースが準備され、映画の世界に没入したような写真を撮影でき、写真は持ち帰ったり、SNSで公開したりできる。

画像: 銭形に追われたルパンがスクリーンの外に飛び出してきたカット。ちゃんと画面の横に立っているのがいい!

銭形に追われたルパンがスクリーンの外に飛び出してきたカット。ちゃんと画面の横に立っているのがいい!

 さて、本日開催された先行体験会では、日比谷ステップ広場前に設置された大型LEDビジョン(横9m×縦5mの約400インチ、解像度は2K相当)でイベント用に作られたオリジナルムービーと予告編が上映された。

 このふたつがAR用コンテンツになっており、専用アプリをインストールしたスマホのカメラでLEDビジョンを撮影していると、ストーリーの進行に合わせて、銭形に追われたルパンがスクリーンを飛び出してくる様子がスマホ画面上に再現されるわけだ。

 もうひとつの予告編も同様で、こちらはLEDビジョンの手前にフィアットを囲んで5人のキャラクターが出現する。しかもきちんと立体的に描かれていて、見る側の位置によってキャラクターに角度が付くなどリアリティにも気を遣っている。

 コンテンツを制作したソニーPCL株式会社 クリエイティブ部門ビジュアルクリエイターの宇城秀紀氏によると、今回のARは「体験する映画祭」というテーマで企画されているそうだ。単純な上映ではなく、スクリーンの中から少しでも現実に近づくAR体験をしてもらおうという狙いで、ルパンというコンテンツはそれに最適だったということだろう。

画像: 取材時のスマホ画面をキャプチャーしてみた。額縁の一部か欠けているが、これくらいなら問題なさそう。画像はスクリーンを斜めから見たところで、ルパンと次元のかさなり具合が絶妙だ

取材時のスマホ画面をキャプチャーしてみた。額縁の一部か欠けているが、これくらいなら問題なさそう。画像はスクリーンを斜めから見たところで、ルパンと次元のかさなり具合が絶妙だ

 これまでのARは静止画がほとんどで、QRコードなどを読み込むことで効果を出していた。しかしそれではストーリーとの連動や複数の視聴者が同時に楽しむことはできない。そこで今回は本編映像の周り(左右と上の3箇所)に額縁映像を設け、これをトリガーにしてARを呼び出すようにしている。

 額縁にはフィルムのスプロケットのような模様があるが、この位置や数により白と黒のコントラストが変化する。その違いをスマホアプリが識別して、CG画像を合成するという。キャラクターの角度についても、額縁の傾きなどからユーザーの位置を計算し、そこから見える画像をリアルタイムに再現しているのだ。そのため、この額縁がスマホカメラに写っていないとAR画像は正しく再現されないので注意していただきたい。

 さらに上映内容に合わせてARが変化するように、アプリ側でタイムコードも管理している。これはLEDビジョンでコンテンツが流れ始めた時に同期を取っているとかで、既にコンテンツの上映が始まっている場合は、もう一度頭から再生されるまで待った方がいいだろう。

画像: 専用アプリ「ルパン三世 シネマARマッピング日比谷」

専用アプリ「ルパン三世 シネマARマッピング日比谷」

 スマホ画面上に再現されるCG映像は、緻密でよく描き込まれている印象だった。宇城氏によると、このCGは本編で使われたものを流用しているそうで、劇場用の大容量データをスマホで動かせる素材に作り替えるのに苦労したという。またARのルパンをきちんとLEDビジョンの横(地面から1mほどの高さ)に立たせ、フィアットは地面に駐まって見えるように合成するなど、現実との違和感がないように細かな配慮がされている。

 専用アプリの「ルパン三世 シネマARマッピング日比谷」は既にApp StoreやGoogle Playストアからダウンロード可能だ。今回のARコンテンツは現時点ではイベント会場以外での上映は予定されていないので、チャンスがあったらぜひ最先端ARを体験していただきたい。

画像: ソニーPCL株式会社 クリエイティブ部門ビジュアルクリエイターの宇城秀紀氏

ソニーPCL株式会社 クリエイティブ部門ビジュアルクリエイターの宇城秀紀氏

【ルパン三世THE FIRSTインタラクティブシアター】

画像: シネマデジタルフォトスタジオでは、ルパンと一緒に写真撮影も可能

シネマデジタルフォトスタジオでは、ルパンと一緒に写真撮影も可能

《Contents.1 シネマARマッピング》
 スマートホンに専用アプリをダウンロードし、広場の大型ビジョンに向けてスマートホンをかざすと、ルパン三世のキャラクターが画面から街へ飛び出し、映画のワンシーンをひと足先に体験できる。●日時:10月18日(金)〜27日(日)12:00〜18:00●場所:日比谷ステップ会場

《Contents.2 シネマデジタルフォトスタジオ》
 ルパンと一緒にコマ撮り風の写真が撮影できる。写真にはメッセージなどの落書きも可能。●日時:10月18日(金)〜11月4日(祝)12:00〜19:00●場所:B1F 日比谷アーケード

《Contents.3 シネマプロジェクターフォトスタジオ》
 ルパン最新作の世界感はもちろん、好きなキャラクターの前で自由に撮影が可能。●日時:10月18日(金)〜22日(火)12:00〜19:00●場所:6F BASE Qスタジオ

画像: 話題の3D CG映画『ルパン三世 THE FIRST』が街に飛び出す! 「日比谷シネマフェスティバル」で、AR シネママッピング特別体験会を開催

その他の「日比谷シネマフェスティバル」イベント
「トロント日本映画祭 in 日比谷」
 今年6月のトロント日本映画祭で上映された最新作から8〜10作品を大型LEDビジョンで無料上映●日時:10月18日〜27日19:00〜21:00(予定)

「第32回 東京国際映画祭 屋外映画上映」
 東京国際映画祭の日比谷会場として、オープニングイベントや屋外上映、ゴジラ・フェス2019を開催予定●日時:10月28日〜11月4日

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