ハイレゾ音源に対応するポータブルプレーヤーは、1万円ほどの安価なものから数十万円の超高級機まで幅広いラインアップで展開されている。しかし、スマホでの音楽再生からステップアップを考えるなら、5~10万円未満あたりのクラスがおすすめ。この価格帯は、優れた音質と機能性や操作感を兼ね備えた実力派モデルばかりで、価格対満足度もひじょうに高い。

 フィーオのM11はこの価格帯での要注目モデルだ。DACチップには、旭化成エレクトロニクスのAK4493EQを2基、左右独立で採用。PCMは384kHz/32ビット、DSDは11.2MHzまでのネイティブ再生が可能だ。アンプ回路はフルバランス構成で高いドライブ能力を備え、出力端子はバランス出力とアンバランス出力の双方を備える。

 OSはAndroid7.0を採用するが、オーディオ再生に最適化したカスタム仕様で、高音質再生に特化した作りとなっていることが特徴。システムLSIは6コア構成で、高機能と高速かつ快適な操作性を実現している。

 aptX HDやLDACにも対応するブルートゥース機能、内蔵32バイト+micro SDカードスロット×2のストレージ容量など、スペック面は上級機に匹敵する。5.15インチの大型タッチスクリーンの採用や直線基調で仕上げられたモダンなデザインのボディ剛性など、品位は高い。

 テオドール・クルレンツィス指揮ムジカ・エテルナによる『チャイコフスキー/交響曲第6番』(96kHz/24ビット、FLAC)をアンバランス出力で聴いたが、各楽器の粒立ちのよさ、ホールの響きの豊かさを再現。特に好ましいのは、低音の弦楽器の音色や胴の鳴りもきちんと描き出す解像感を持ちながら、しっかりと厚みのある力強い音が得られること。雄大なエネルギーにあふれた音を楽しませてくれた。バランス出力ではさらに音場の再現性が増し、力強い音に相応しいスケール感が得られた。

 熱気あふれるジャズやビートの効いたロックも実にエネルギッシュ。ハイレゾの醍醐味を存分に味わえるモデルだ。

画像: すべての面で満足度が高い、Fiio M11―音質・機能・操作性・デザインそして価格。

Digital Audio Player
Fiio M11

オープン価格(実勢価格6万円前後)

●拡張スロット: microSDカードスロット×2(SDHC/XC最大2Tバイト)
●連続再生時間 : 13時間(3.5mm出力時)
●対応ファイル形式 : WAV、FLAC、MP3、WMA、OGG、AAC、APE、AIFF、ISO、DSF、DFF、DST
●対応サンプリング周波数/量子化ビット数 : ~384kHz/32ビット(PCM)、~11.2MHz DSD
●接続端子 : 3.5mm(ヘッドホン出力、ラインアウト、同軸デジタル兼用)、2.5mmバランス出力(4極)、4.4mmバランス出力、USBタイプC(充電・転送、USB AUDIO出力)
●Bluetoothコーデック : LDAC、aptX HD、HWA(LHDC)、SBC 
●ディスプレイ : 5.15型 IPS液晶(1440×720画素/タッチスクリーン)
●寸法/質量 : W70.5×H130×D15.5mm/約211g
●問合わせ先 : 株式会社エミライ https://www.fiio.jp/contact/ 

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