東京都内で初となるドルビーシネマ対応館が、10月4日(金)に銀座の丸の内ピカデリーにオープンする。そのお披露目が、本日午後開催された。

画像: エレベーターを降りた瞬間から、ドルビーシネマの世界に入っていける

エレベーターを降りた瞬間から、ドルビーシネマの世界に入っていける

 丸の内ピカデリーDolby Cinemaは有楽町マリオン新館5Fをリニューアルして誕生した、(シネコンではない)単館劇場として初めてのドルビーシネマ専用館となる。

 専用館を謳うだけあって、エレベーターを降りると目の前には落ち着いた空間が広がる。壁面や天井もシックなトーンで統一され、発券機まで同様だ。その左手にはドルビーシネマのロゴに並んでAVP(オーディオ・ビジュアル・パスウェイ)と呼ばれるディスプレイが設置されている。ここには作品に関連したビジュアルが表示されており、その世界に入っていけるようにデザインされているわけだ。

 シアター内も同様で、壁は反射光・迷光がないように配慮され、天上スピーカーも黒く塗られて視覚的なノイズは一切ない。座席もブラック仕上げで、座り心地もよかった。なお、ピカデリー3の頃は540席を備えていたが、今回のリニューアルで255席(うち車椅子席2席)となり、それぞれの席に左右にひじかけを備えるゆとりのある設計になっている。また、最前列にはリクライニングで楽しめるシートも準備されていた。

画像: 後列からスクリーンを臨む。傾斜もついており、前列のお客さんにスクリーンが被る心配はないだろう

後列からスクリーンを臨む。傾斜もついており、前列のお客さんにスクリーンが被る心配はないだろう

 本日の説明会では、劇場を運営する松竹株式会社の代表取締役社長 迫本淳一氏が丸の内ピカデリーDolby Cinemaをオープンする狙いを紹介してくれた。

 迫本氏によると、松竹という会社は保守的な印象があるかもしれないが、実は歴史的にも新しいことにチャレンジしてきたそうだ。実際、日本初のトーキー作品やオールカラー作品は松竹が配給しており、それはお客さんのことを考えてだという。

 今回も、視聴者に最高の映画体験を届けるためにドルビーシネマを開設した。というのも、インターネットで様々なことができる今の時代でも映画館は好調であり、それはネットでは手に入らない価値を生み出しているからだと考えたからだそうだ。ドルビーシネマでは、映像、音響、視聴環境といった大切な要素で究極の価値を提供できるというわけだ。

画像: 天上にはドルビーアトモスのトップスピーカーが並ぶ(照明の間にあり)

天上にはドルビーアトモスのトップスピーカーが並ぶ(照明の間にあり)

 続いてドルビージャパン株式会社 代表取締役社長 大沢幸弘氏がドルビーシネマの技術内容や魅力について紹介してくれた。

 大沢氏はまず、「都内でドルビーシネマをお楽しみいただける初の劇場ができました」とその喜びを語ってくれた。続いて、ドルビーシネマは世界に誇れる最先端・最高峰の技術で、アートと映画が融合した究極のシネマ体験であることを解説してくれた。コンテンツもハリウッドスタジオ7社が採用し、累計250以上の作品が公開済み、あるいは準備中で、対応劇場も世界中で400館に迫っているそうだ。

 そのドルビーシネマには、「ドラマチックな映像」「心揺さぶるオーディオ」「究極のシアターデザイン」という3つのテーマがある。

 最初の「ドラマチックな映像」はドルビービジョンで実現している。これは2台のレーザープロジェクターを使うことで、肉眼で捉えた実世界に近い映像を実現できるものだ。

画像: “究極の映画体験を可能にする”「丸の内ピカデリーDolby Cinema」が10月4日にオープン。ゆとりを持って作品に没入できる空間が実現できている

 次の「心揺さぶるオーディオ」はドルビーアトモスが可能にしている。この3D立体音響技術は世界中で4800スクリーンに採用され、作品数は1300を越えたという。劇場の隅々にまでサウンドを配置することで観客が作品に入り込んだような感覚を体験してもらえる点がポイントという。

 最後の「究極のシアターデザイン」はエントランスや先述したAVPが醸し出す世界だ。ここを通って座席に着くことで、観客が作品世界に没入できるようにしているわけだ。

 今回はドルビーシネマの体験として、様々な名作映画の見どころをピックアップしたデモ映像が上映されたが、確かに市街地の夜景の遠景やヒーローのコスチュームの輝き、CGアニメの光まで配慮した演出の再現、音楽をフィーチャーした作品でのライブの臨場感など、いずれも説得力のある絵と音を楽しむことができた。『ジョーカー』の予告編も上映されたが、モニターライクな映像と、実態感のあるセリフが印象に残った。

 大沢氏は、ドルビーシネマは映画に命を宿す場所、熱い思いを呼び覚ます場所で、作品の感動を通じて多くの人の力になっていきたいと語っていた。それが映画館で作品を観ることの素晴らしさにつながるということだろう。

画像: 中央が松竹株式会社の代表取締役社長 迫本淳一氏で、右がドルビージャパン株式会社 代表取締役社長 大沢幸弘氏

中央が松竹株式会社の代表取締役社長 迫本淳一氏で、右がドルビージャパン株式会社 代表取締役社長 大沢幸弘氏

 丸の内ピカデリーDolby Cinemaで楽しめる作品は、10月4日公開の『ジョーカー』を皮切りに、11月1日『IT/イットTHE END』、11月22日『アナと雪の女王2』、11月29日『ドクター・スリープ』、12月20日『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』などが予定されている。

 映画ファンとしては、ドルビーシネマがこれらの作品からどれくらいの感動体験を与えてくれるかは、絶対体験しておきたいところだ。そんな方に向けて、StereoSound ONLINEでは4日公開の『ジョーカー』の取材を予定。久保田明さんがいち早くドルビーシネマでのインプレッションを紹介してくれるので、ご期待いただきたい。

丸の内ピカデリー(ドルビーシネマ)の概要
●鑑賞料金(税込):
 ドルビーシネマ 作品 鑑賞料金+一律¥600
 ドルビーシネマ3D作品 鑑賞料金+一律¥1,000
●住所:東京都千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン新館5階(旧・丸の内ピカデリー3)

画像: 2020年には日本映画のドルビーシネマ上映も予定されている

2020年には日本映画のドルビーシネマ上映も予定されている

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