Skullcandyから、ノイズキャンセリング機能を搭載したフラッグシップワイヤレスヘッドホン「Crusher ANC」が10月25日に発売される。価格は¥36,300(税別)。また、好評「Crusher Wireless」に新色Moab RedとMoss Oliveが同日に追加される。価格は各¥17,800(税別)だ。

画像: ノイズキャンセリング機能付きワイヤレスヘッドホン「Crusher ANC」

ノイズキャンセリング機能付きワイヤレスヘッドホン「Crusher ANC」

 Crusher ANCは、型番にCrusherと付くことから分かるように、昨年発売の「Crusher 360」(限定生産品)と同じく、同社が「センサリーベース」と呼ぶ左右独立型のサブウーファー機構の搭載が特徴で、左のハウジングにあるスライダーで低音の量感をコントロールすることができ、そのスライダーをマックスまで利かせれば、低音を聴くのではなく、まさに体感できる! という超重低音仕様のヘッドホンだ。

画像: 「Crusher 360」(左)と「Crusher ANC」

「Crusher 360」(左)と「Crusher ANC」

 その低域再生については、Crusher 360では再生周波数帯域が20Hz~100Hzであったが、Crusher ANCではそれを10Hz~200Hzへと拡大。同時に制動も強化することで、歪を抑えつつ、さらに量感のある低域を楽しめるよう設計されている。

画像: 「Crusher ANC」では赤で囲ったところまで低域の再現ができています、という表

「Crusher ANC」では赤で囲ったところまで低域の再現ができています、という表

 加えてCrusher ANCでは型番から分かるように、ANC、つまりアクティブノイズキャンセリング機能の搭載も特徴であり、Crusher 360と同社のANC搭載モデル「Venue」を合体させたのが、新製品のCrusher ANCと言えそうだ。ANCは左ハウジングのボタンでON、OFFが可能で、外音を取り込むモニターモードも搭載する(イヤーカップの外側をタップする)。ANCは、フィードバック、およびフィードフォワードの2方式に対応し、効果的にノイズを低減してくれるという。

画像: 「Crusher ANC」の特徴をまとめた表

「Crusher ANC」の特徴をまとめた表

 さらに、Crusher ANCではもう一つの大きなフィーチャーがある。それが、スウェーデンのオーディオメーカー「audiodo」の開発したパーソナルオプティマイゼーション機能「audiodo PERSONAL SOUND」の搭載である。他社でも、耳の中の聴こえ方を測定して、個人に合わせた波形を創り出すものはあるが、本機能では、理想的な聴こえ方の波形に対して、聴力検査のようなピーピー音が聴こえたかどうかをyes/noで答えていくことで、個人個人の聴こえ方を判別し、独自のアルゴリズムを使って、理想の波形にマッチングさせていくのだという(処理はリアルタイム)。

画像: 「audiodo PERSONAL SOUND」の仕組みをざっくり紹介すると、理想の聴こえ方(黄色の線)に対して、測定した結果(赤・緑の線)を元に、それ(聴こえ方)を黄色の線に近づけるような補正を行なうという

「audiodo PERSONAL SOUND」の仕組みをざっくり紹介すると、理想の聴こえ方(黄色の線)に対して、測定した結果(赤・緑の線)を元に、それ(聴こえ方)を黄色の線に近づけるような補正を行なうという

 これは、スマートホンアプリを使って計測(?)するが、その結果(個人に最適化した補正データ)は、Crusher ANC内の専用チップに記録されるそうで、一度補正をONにしておけば、接続する再生機器を変えても、同じ補正効果が得られるようになっている。

画像: 「audiodo PERSONAL SOUND」の機能紹介のためにわざわざ来日してくれた同社のJonas Lofgren氏。「Crusher ANC」が同機能の世界初搭載モデルになるという。氏によればチップ自体は小型なので、完全ワイヤレスイヤホンへの搭載(採用)も可能だという

「audiodo PERSONAL SOUND」の機能紹介のためにわざわざ来日してくれた同社のJonas Lofgren氏。「Crusher ANC」が同機能の世界初搭載モデルになるという。氏によればチップ自体は小型なので、完全ワイヤレスイヤホンへの搭載(採用)も可能だという

 実際に測定してみたが、やり方は健康診断の聴力検査と同じで、電子音(ピーピーいうアレ)が聴こえたかどうかを、yes、noのボタンで答えるだけ。3分ほどで終了した。下の写真は筆者の測定結果であるが、どうやら左耳がお疲れのようで、高域の特性が右に比べてかなり落ちている。

画像: 専用アプリ。Android、iOS両方を用意(無償)。アプリの起動は位置情報がONになっていない起動しない。中央が測定中の画面。右が筆者の測定結果。縦軸が感度、横軸が周波数になる。点線が理想の状態で、色付きの実線が実際の測定値。濃い青が右耳、薄い青が左耳だ

専用アプリ。Android、iOS両方を用意(無償)。アプリの起動は位置情報がONになっていない起動しない。中央が測定中の画面。右が筆者の測定結果。縦軸が感度、横軸が周波数になる。点線が理想の状態で、色付きの実線が実際の測定値。濃い青が右耳、薄い青が左耳だ

 その状態で(機能OFF)音楽を再生してみると、(思い込みかもしれないが)音像が若干右にずれているようにも感じる。サウンドそのものは、Crusher 360と同じく40mm径のダイナミック型ドライバーを搭載していることもあって、レンジ感は広く、低域から高域までナチュラルな再現。センサリーベースの改良の効果もあり、より引き締まった低域が楽しめた。

画像: 専用キャリングケースも同梱。ヘッドホンはコンパクトにたためる

専用キャリングケースも同梱。ヘッドホンはコンパクトにたためる

 そこで測定結果をON(補正ON)にすると、まず左右のバランスが整い、音場感がフワッと広がる印象だ。同時にボーカル帯域が浮き上がってくるというか、クリアになり、実在感のある声が聴こえてくる。中域の再現性も厚みが増すし、センサリーベースのスライダーを操作しなくても低域の量感がグッと上がるなど、その効果は高い。実用上、常にONにしておいても問題はないだろう。

 ちなみに、ANCの利き具合を環八通り沿いで試してみたところ、車のエンジン音やロードノイズ(タイヤの音)などの低減には充分機能してくれた。オフィスに戻っても、エアコンや扇風機など一定の周波数のノイズも効果的に抑制してくれる。ただし、人の声にはあまり反応しないようで、音楽再生を止めてANC機能だけを働かせてみると、周囲の話し声はよく聴こえてきた。風切り音も同様だ。

 その他、コーデックにはaptX HDを新たにサポートすることで、対応機器との組み合わせで、最大48kHz/24bitのワイヤレス再生が楽しめるのに加え、Venueと同じくスマートトラッカー機能「Tile」にも対応するので、万が一どこかに置き忘れても、ヘッドホンの位置を検索(スマホから)することができる。

 最後に、Crusher Wirelessは、Crusherシリーズ初のワイヤレスモデルとして2017年春に登場。40mm径のダイナミックドライバーを搭載し、内蔵バッテリーは最大約40時間使えるスタミナ仕様。有線ヘッドホンとしても使える2ウェイモデルだ。本機より、サブウーファーの信号処理をステレオ化しているので、左右(の耳)で異なる振動が楽しめるようになっている。

Crusher ANCの主な仕様
ドライバー:40mm径ダイナミック型
Bluetoothバージョン:5.0
再生周波数帯域:20Hz~20kHz
インピーダンス:32Ω
対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX HD
バッテリー持続時間:約24時間
質量:308g
付属品:キャリングケース、オーディオケーブル(3.5mmステレオミニ、1.2m)、充電用USB Type-Cケーブル

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