新しいイケダのIT407SSトーンアームは、昨年春のアナログオーディオフェアに参考出品されていた。

イケダ サウンドラボズ IT407SS ¥1,250,000(税別)
 型式:ダイナミックバランス型
 ●スピンドル・ピボット間:307mm
 ●オーバーハング:12mm●針圧調整範囲:0~5g
 ●適合カートリッジ重量:6~38.5g(ヘッドシェル含む)
 ●高さ調整範囲:20~60mm
 ●備考:ヘッドシェル(IS2TCR1)付属

剛性が高く不要共振が発生しにくいステンレススチール材を外装全体に奢っているのが、本機の大きな特徴。原型といえるフィデリティリサーチのFR66Sを彷彿とさせる、再生中でもトーンアームの高さを微調整できるエレベーション機能のアームベース(IT-VTA06)を標準装備したのは喜ばれよう。アームパイプの内部にはアルミニウムと真鍮の部材が組み合わされているという。内部配線材は6N銅+4N銅のハイブリッド撚り線である。

本機はダイナミックバランス型で、中央部のノブを回して針圧を印加する。また、再生中でもアーム高さ調整が可能なエレベーション、IT-VTA06が標準装備される。

画像: 上から見る。回転部本体を含む全体にステンレス素材を使用、回転部にステンレスベアリングと真鍮ウェイトシャフトを採用。アームパイプ部の外装はステンレスで、内部にアルミニウムと真鍮の部材が組み込まれる。
上から見る。回転部本体を含む全体にステンレス素材を使用、回転部にステンレスベアリングと真鍮ウェイトシャフトを採用。アームパイプ部の外装はステンレスで、内部にアルミニウムと真鍮の部材が組み込まれる。

 IT407SSは本誌試聴室で聴いている。テクニクスSL1000Rの脇に、製造元が用意した金属製の重いベースに乗せた変則的なセッティングだ。フォノカートリッジはフェーズメーションのPP2000で、フォノイコライザーも同社EA1000を使用。

IT407SSは同社が試聴用に用意した金属製の重量級ベースに取り付けて設置した状態で聴いた。

一音一音が凝縮し音の安定感はおそろしいほど

 本誌のトーンアーム試聴記事で耳が慣れていた私であるが、可動部分の質量が高いロングアームのIT407SSの音には圧倒された。ピラミッドバランス的な低音域の充実ぶりと音の安定感はおそろしいほど。リファレンスレコードで聴く「ピフ、パフ」のラミーは、背筋がピンと伸びた凜とした唄声。ドナルド・フェイゲン「IGY」ではキックドラムの押し出しも強く、一音一音が凝縮した音の塊のように耳に飛び込む。B&W800D3のダブルウーファーを鷲掴みしたかのような迫力なのだ。

●問合せ先:(株)カジハラ・ラボ 03(6279)6311

This article is a sponsored article by
''.