FIRST MAN
- 4K UHD BLU-RAY with DOLBY VISION and DOLBY ATMOS

FIRST MAN is peak Damien Chazelle and Ryan Gosling.
Together they build an exhilarating and triumphant film
that is as intimate as it is awe inspiring.

Release Dates (Theater):October 12, 2018 (USA)
Domestic Total Gross:$44,936,545
(Foreign: $60,752,084 )

画像: screen capture(Super 16)

screen capture(Super 16)

FILM

『ラ・ラ・ランド』で話題をさらった監督デイミアン・チャゼルが描くのは、人類史上初めて異世界へ足跡を残した男の物語だ。タイトルに記される "第一番目の男" を演じるのは、やはりこの人、ライアン・ゴズリングである。製作はドリームワークス/ユニバーサル・ピクチャーズ。ジェイムズ・R・ハンセン著『ファースト・マン 初めて月に降り立った男、ニール・アームストロングの人生』を原作に、『スポットライト 世紀のスクープ』でオスカーを獲得したジョシュ・シンガーが脚本を執筆。アポロ11号の任務に至るまでに過ごした数年間と、1969年7月20日の月面着陸をクライマックスに据えた141分のヒューマン・ドラマは観応えたっぷりだ。

画像: 『ファースト・マン』本編映像 ”絶体絶命!ジェミニ計画のトラブル!” www.youtube.co

『ファースト・マン』本編映像 ”絶体絶命!ジェミニ計画のトラブル!”

www.youtube.co

家族を持つひとりの男。ストイックな宇宙飛行士。超音速機のテスト飛行やNASAの厳しい宇宙プログラムを遂行する一方で、幼い愛娘を脳腫瘍で亡くすという深い悲しみを胸に宿し続ける。NASAによる有人宇宙飛行計画『ジェミニ計画』、そして月面探査に向けた『アポロ計画』を通してアメリカの歴史に切り込み、月面到達のスペクタクルとともに寡黙な男のドラマを語っていく。アームストロングの最初の妻ジャネットに扮するのは『蜘蛛の巣を払う女 』のクレア・フォイ。脇を固めるのは『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のジェイソン・ラーク、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のカイル・チャンドラー。製作総指揮に名を連ねるのはスティーヴン・スピルバーグ。アカデミー視覚効果賞受賞(音響編集、音響録音、美術賞ノミネート)。

※視聴は米国版UHD BLU-RAY( 3層100GB)を使用。国内版は7月3日リリース予定。

画像: screen capture(Techniscope)

screen capture(Techniscope)

VIDEO

撮影は『アメリカン・ハッスル』『ラ・ラ・ランド』のリヌス・サンドグレン。フィルム撮影に拘り続けるサンドグレンだが、本作ではスーパー16(16mm)を主要フォーマットに、スーパー35、スーパー35+テクニスコープ、スーパー35+ビスタビジョン、IMAX(65mm)とマルチ・フォーマットで撮り上げている。DIファイルは2K。HDRはHDR10とオプションとなるドルビービジョンHDRを採用したハイブリット仕様。映像平均転送レートは57.1Mbps(HDR10)+6.6Mbps(ドルビービジョン)。収録アスペクトは2.39:1、1.78:1(IMAX)。

まず整理しておこう。スーパー16方式は16mmフィルムの音声トラックまでを使用して映像を記録、アスペクトはほぼビスタサイズ同等の1.66:1となる(35mmスコープサイズ作品では、35mmにブローアップ後、上下をマスキング)。パラマウントによって開発されたビスタビジョンは、専用カメラで35mmフィルムを横に送り、スタンダードサイズの2フレームを使って1フレームの映像を撮影。上映プリントは縮小して縦方向にプリント。上映時には広角レンズで拡大映写する。1フレーム(上映プリント)に2フレーム分(撮影ネガ)のフィルムを使っているため、拡大映写しても鮮明な映像が得られる。パラマウントはアスペクト1.85:1での上映を基準としたが、1.66:1から2.00:1までのアスペクト上映することを容認している(本作は上下マスキングのシネスコサイズ仕様)。対してテクニスコープはスタンダードサイズ・フィルムの1フレームを中心で分割、2フレームにして撮影する。上映プリントはアナモフィックレンズを使って左右圧縮、上映時には拡大して映写する。アスペクトは2.35:1上映基準。かつて記録映画やマカロニ・ウエスタン等で使用されており、フィルムが半分で済むという経済面での長所はあるが、正規のシネスコ作品に比べて粒子感が粗くなる。ビスタビジョンとは正反対の方式だ。

画像: VIDEO

主要フォーマットの16mm撮影ショット(ブローアップされた35mmネガをスキャン)は、最新映画の鮮鋭4K画質に慣れた目にはずいぶんと軟調に映ろう。当初は全編を16mm撮影する予定であったというが、ドキュメンタリー映画に多大な影響を受けたというチャゼルの狙いは達成している。16mm撮影作品ならではの粗目の粒子感と質感は、ドキュメンタリー・トーンを実現、映像の開放性が欠如したことによるリアリズムを立ち上がらせているからだ。ドラマ・シークエンスの大部分を16mm撮影したほか、オープニングの超音速実験機X-15の飛行シークエンスや狭い宇宙船内のショットも16mm撮影されており、動きの激しいハンドヘルドのカメラワークによって息継ぎも許さぬ緊迫感を画面から溢れさせている。BLU-RAY版と比較して、ディテールや被写界深度の表現をアップグレード。HDRは宇宙シークエンスを際立たせ、明らかなコントラストの改善を示している。スペキュラハイライトもより鋭い輝きを提供、光彩階調も露出、金属エッジに生々しいな輝きを与えている。豊かな黒レベルを維持するが、ショットによっては黒の引き込みが早くなる。

テクニスコープはヒューストン郊外やNASA屋外シークエンス等で使用。16mmショットの粗い画調を継承しつつ、深みのあるディテール再現を実現している。ビスタビジョンはロケット発射シークエンス等の(ミニチュアを多用した)VFXショットに使用されており、映像の見晴らしも改善されている。UHD BLU-RAYでもっとも効果を上げる重要な改善点は、HDR+WCG(広色域)によるカラーパレットだ。SDRでは控え目に映る色彩を拡張、とりわけドルビービジョンでは彩度が活気に満ちる。またティール、シアン、セルリアン、濃いネイビー、インディゴ、アドミラル等の色味を細密に再現、多彩な青の表現も強調されている。木造建築の室内シークエンスでは、古風なドキュメンタリー画調を保ちながら、ウォームトーン(黄、アンバー、ブラウン)に浸漬させる。月面シークエンスは劇的。厳正で濃密なグレーで染め抜いている。話が前後したが、月面シークエンスはIMAX撮影、ここまでの総ての映像デザインを上書きする極めて高精細な映像に息を呑む。有彩色のカラーパレットは無彩色のモノトーンで染まり、動きの激しいハンドヘルドのカメラワークも流れるようなクレーンショットに変貌する。主人公ニール・アームストロングへの感情移入をミニマル化、ニールの感情とのリンク度を高めることに成功している。

画像: screen capture(VistaVision)

screen capture(VistaVision)

AUDIO

サウンドデザイン/音響編集監修/リレコーディングは『ダイ・ハード4.0』『塔の上のラプンツェル』『デッドプール』『ラ・ラ・ランド』のアイ=リン・リー。音声平均転送レートは3.127 kbps(16ビット/48kHz)。UHD BLU-RAY、BLU-RAY共にドルビーアトモス・サウンドトラック採用。

フロントヘビーなシネソニック・デザインは、映像同様にドキュメンタリー・タッチを念頭に入れたものだ。それゆえ発声は優先順位の最上位に置かれ、常に高い明瞭度で台詞を響かせる。環境音と大気エフェクトによるイメージングは緻密。サラウンドはドラマ・パートとアクション・シークエンスにメリハリをつける目的で多用され、とりわけ後者において優れた分解能と明瞭度を提供している。NASAのコントロールルームの喧騒ノイズの扱いも巧みで、没入型サウンドフィールドを生み出している。驚いたことにオブジェクト頻度が高く連続的で、魅力的なハーフドームのサウンドステージを創出。開幕間もなく、超音速実験機X-15の飛行シークエンスであなたはコクピット内に座らされ、降りかかり包み込む飛行と機体ノイズによってニールと共に強烈なスリルを味わうことになる(カプセル状のイマーシヴ・サラウンドの傑作)。ローエンドは大気エフェクトに重みを加え、打ち上げシークエンスで最高のパフォーマンスを披露。

音楽を務めるのは、チャゼルとは高校時代化のつき合いとなり、これまでのチャゼル作品を担当してきたジャスティン・ハーウィッツ。本作では100人規模のオーケストラを編成する一方、オールドスクルールなエレクトロニック・テルミンやモーグ・シンセサイザーによる楽曲を提供、加えてレスリー・スピーカーやエコープレックスのような時代色の強い変換装置も用いた音作りを披露している。とりわけテルミンは月面シークエンス(不気味な異世界を想起させる)で中心的の役割を担うほか、ほとんどすべての楽曲で独特の音彩を聴取できる。テルミンは広大な宇宙を想起させるのと同時に、人間の声の性質も有し、人間が嘆き悲しむような響きを聴かせるのだ。ここに幼き愛娘を亡くしたニールの悲しみ結びつくのだが、これぞ本作のドルビーアトモス、最大の聴かせ処と言えよう。

画像: screen capture(IMAX)

screen capture(IMAX)

FINAL THOUGHTS

監督チャゼルが描こうとしたのは、これまで語り継がれ神聖化されてきたサクセスストーリーではなく、そのサクセスまでの苦難や葛藤といったプロセスである。それゆえか、ニールが月面に星条旗を立てる、あの歴史的なシーンも省略(物議をかもした)。さらに徹底したドキュメンタリー調の語り口によって、これまでのビッグバジェット作品には見られない異色の仕上がりとなっている。実のところ、この映画が持つ妙味は劇場公開では味わいきれないものだ。ストーリーテリングや演技はもちろんのこと、こだわりの絵作り、音作りをUHD BLU-RAYでしゃぶり尽くして貰いたい。長尺ではあるが、2度3度と鑑賞するうちに、この映画に携わった人たちの熱き思いが胸を染めるはずである。必見。必聴。

SPECIAL FEATURES

  • Deleted Scenes (2160p/SDR): House Fire (3:37) and Apollo 8 Launch (0:37).
  • Shooting for the Moon (2160p/SDR, 3:40)
  • Preparing to Launch (2160p/SDR 3:39)
  • Giant Leap in One Small Step (2160p/SDR 4:31)
  • Mission Gone Wrong (2160p/SDR 2:42)
  • Putting You in the Seat (2160p/SDR 7:09)
  • Recreating the Moon Landing (2160p/SDR, 6:01)
  • Shooting at NASA (2160p/SDR 3:11)
  • Astronaut Training (2160p/SDR 4:02)
  • Audio Commentary: Director Damien Chazelle, Screenwriter Josh Singer, and Editor Tim Cross offer a well versed track that expands on much of what the previous supplements introduced as well as exploring more of the technical details behind the film, both as it was made and how it recreates the real events depicted therein.

SCREEN CAPTURES

画像1: SCREEN CAPTURES
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画像9: SCREEN CAPTURES
画像10: SCREEN CAPTURES
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画像12: SCREEN CAPTURES
画像13: SCREEN CAPTURES

DISC SPECS

TitleFIRST MAN
ReleasedJan 22, 2019 (from Universal Studios)
SRP$29.98 (amazon: $17.99)
Run Time2:20:59.909 (h:m:s.ms)
CodecHEVC / H.265 (Resolution: 4K / DOLBY VISION / HDR10 compatible)
Aspect Ratio2.39:1, 1.78:1 (IMAX)
Audio FormatsEnglish Dolby Atmos (48kHz / 24bit / Dolby TrueHD 7.1 compatible), Spanish Dolby Digital Plus 7.1, French Dolby Digital Plus 7.1
SubtitlesEnglishSDH, French, Spanish

FILM SPECS

タイトルファースト・マン
2018
監督デイミアン・チャゼル
製作ウィク・ゴッドフリー, マーティ・ボーウェン, アイザック・クラウスナー, デイミアン・チャゼル
製作総指揮スティーヴン・スピルバーグ, アダム・メリムズ, ジョシュ・シンガー
脚本ジョシュ・シンガー, 《原作》ジェイムズ・R・ハンセン
撮影リヌス・サンドグレン
音楽ジャスティン・ハーウィッツ
出演ライアン・ゴズリング, クレア・フォイ, ジェイソン・クラーク, カイル・チャンドラー, コリー・ストール, クリストファー・アボット, キアラン・ハインズ, パトリック・フュジット, ルーカス・ハース

4K画質評価

解像感★★★★★★★★☆☆8
S/N感★★★★★★★★☆☆8
HDR効果★★★★★★★★★☆9
色調★★★★★★★★★☆9
階調★★★★★★★★☆☆8

※IMAX=解10、S/N9、HDR10、色9、階10

音質評価

解像感★★★★★★★★★☆9
S/N感★★★★★★★★★☆9
サラウンド効果★★★★★★★★★☆9
低音の迫力★★★★★★★★☆☆8

SCORE

Film★★★★★★★★★☆9
Image★★★★★★★★☆☆8
Sound★★★★★★★★★☆9
Overall★★★★★★★★★☆9

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