世界最大の放送・映像業界のイベントNAB(National Association of Broadcasters)Showが2019年4月6日から11日まで、米ネバダ州ラスベガスにあるラスベガス・コンベンションセンター(LVCC)で開催された。

 このイベントは、メディア、エンタテインメント、テクノロジー、コンテンツビジネスに携わるプロフェッショナルに向けたあらゆる機器やサービスが一堂に会する貴重な場だ。そしてここ数年は、NAB Showに出展した最新機器やサービスの成果を、いち早く日本の放送局、映像制作プロダクションといったユーザーに伝えるためのイベントとして、After NAB Showも開催されている。

 そのAfter NAB Show-Tokyo 2019-は、5月22〜23日という日程で、東京・秋葉原のUDX 2F「AKIBA SQUARE」と4F「UDX THEATER」で開催中だ。今回は2F「AKIBA SQUARE」の展示の中から、オーディオビジュアルライフに関連しそうなテーマについていくつか紹介したい。

EIZO

画像: EIZO
画像: 左が「CG319X」で右が「CG3145-BS」。黒再現の違いが明らかだ

左が「CG319X」で右が「CG3145-BS」。黒再現の違いが明らかだ

 入り口を入ってすぐにブースを構えていたEIZOは、HDR(PQ、HLG)映像のモニターに使えるディスプレイを3モデル並べていた。トップモデルの「CG3145-BS」は、31.1インチ、4K(水平4096×垂直2160画素)の解像度を備えた液晶モニターディスプレイで、最大輝度1000カンデラ、コントラスト比は100万:1をクリアーする。DCI-P3の色域を99%カバーしており、実際にポストプロダクションなどではHDR映像の制作用にも使われているという。

 次の「CG319X」は画面サイズは同じく31.1インチの4K(水平4096×垂直2160画素)パネルを搭載し、最大輝度は350カンデラ、コントラスト比は1500:1となる。色域はDCI-P3の98%。HDR信号が入力されると自動的に最大輝度350カンデラに収まるように調整して、HDRのテイストを残した映像として表示されるそうだ。

 「CG279X」は2K(水平2560×垂直1440画素)パネルを使い、HDR(PQ、HLG)映像が再生できる。こちらも最大輝度は350カンデラで、コントラスト比は1300:1だ。

日本コントロールシステム

画像: 日本コントロールシステム

 日本コントロールシステムのブースには、4K8Kの非圧縮映像を記録できるレコーダー「DRB8000」シリーズが置かれている。こちらは8K/120p/RGB 4:4:4/12ビット)というフルスペックの非圧縮8Kデータを内蔵したSSDメモリーに記録したり、プレビューができるシステムだ。

 内部には96枚のSATA接続SSDが収納可能で、容量としては11/23/46/92Tバイトの4種類を準備している。8Kフルスペック動画の記録時間はそれぞれ7/15/30/60分だという。

ねこじゃらし/モルフォ

画像: ねこじゃらし/モルフォ

 クリエイティブ制作向けのクラウドサービスを提供する株式会社ねこじゃらしと、画像/映像処理技術およびAI(人工知能)技術のリーディング企業の株式会社モルフォがタッグを組んだ映像処理クラウドサービス「Setaria.cloud」も面白い提案だった。

 これは、ユーザーがブラウザ経由で映像をサーバーにアップすると、希望の処理を加えて戻してくれるというもの。映像自体は4Kや8Kにも対応しており(ブラウザやプラグイン、専用アプリが必要な場合もあり)、映像処理の内容もフレームレート変換、超解像、スローモーション、ノイズ除去、フリッカー低減といった多数の項目が準備されている。しかもそれぞれについて細かいパナメーターの指定も可能という。

 もともとモルフォはカメラ撮影のHDR映像処理などで実績があり、今後はこれらの決まった映像処理だけでなく、AIやディープラーニングを活用した画像処理にも対応していきたいと考えているようだ。

Cominix

画像1: Cominix
画像2: Cominix

 Cominixのブースには、100Gバイトを超える映像信号を1本で伝送できるHDMIケーブルの試作機が置かれていた。これはHDMIの信号線4本を光ファイバーで、残りをメタル線で構成することで転送レートを拡大、8Kなどの大容量信号を確実に送信しようというものだ(HDMI2.1とは細部が異なる模様)。

 ケーブルの開発などはパナソニックが手がけており、Cominixの製品は両端の光変換モジュールが採用されているそうだ。

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