新4K/8K衛星放送がスタートして昨日でちょうど3ヵ月。いわゆるテレビのワンクールが終了したわけですが、お気に入り番組は見つかったでしょうか? かく言うぼくも、自宅にパナソニックの4Kチューナー内蔵レコーダーDMR-SCZ2060を導入し、エアチェックにはまっております。

 もともと自宅のプロジェクターは4Kに対応済みだったので(SDRですが)、4K放送を導入するのは決定事項。ただ、単体4Kチューナー&USB HDDにするか、レコーダーにするかは悩ましかった。

 単体4Kチューナーは価格も手ごろで設置場所も取らない。一方レコーダーはチューナーに比べるとお値段が高めで、導入にはAVラックの整理が必要。

 最終的に決め手になったのは、NHK BS 4Kで『刑事コロンボ』と『ウルトラQ』が全話放送されるということ。この2作は物心ついた頃から見ており、それが4Kになると聞いたら、元来のコレクター魂に火が着いたわけ。

 今でこそテレビ録画はHDDに保存するのが当たり前だけど、僕らの世代(50代半ば)にとってはまずテープに録って残すのが基本でした。その後テープからディスクになったけど、大事な番組は物理メディアに保存するという習慣が骨身に染みこんでいます。

 ということで、『コロンボ』と『ウルトラQ』もBDメディアに残すしかないでしょう……と、レコーダーを選択したわけです。

画像: DMR-SCZ2060の編集画面。2K用ディーガと同じ操作で4K番組の部分削除等もできる

DMR-SCZ2060の編集画面。2K用ディーガと同じ操作で4K番組の部分削除等もできる

 その際候補になったのはパナソニックDMR-SCZ2060とシャープ4B-C20AT3のふたつ。SCZ2060を選んだのは、昨年12月の段階でシャープ機は番組編集ができなかったから。

 民放局はもちろん、NHKであっても番組の前後に告知や宣伝が入っているわけで、後々ディスクに保存する際にはこういったものは極力外したい。これまたテープ時代からのコレクターの性なわけです。

 SCZ2060が届いたのは去年の12月20日過ぎ。ぎりぎり『コロンボ』の放送に間に合ったし、『ウルトラQ』も(ぼくと同じようなファンの声があったのか)、1〜2話を再放送してくれたので、無事録画できた次第です。

 以来3ヵ月、この2作はもちろん、映画を始めとする気になる番組を予約していたら、あっという間にHDDの空き容量が半分を切ってしまい……。ということで、今回『コロンボ』と『ウルトラQ』をディスクに保存してみることにしたのです。

実際のところ、4K放送はBD一枚に何分入るのか?

 さて、4K放送の連続ドラマをディスクに保存する際に考えなくてはならないのが、どれくらい効率よくシリーズを保存できるか。なにしろ『ウルトラQ』で全28話(プラス特番30分)、『コロンボ』に至っては全69話というボリュウムです。

 録画ディスクの保存場所も考えるとディスク一枚になるべく多くのエピソードが入るに越したことはない。というわけで、いろいろな種類のブランクディスクを集めて、4K放送が何分記録できるかを調べてみることに。

画像: 三層式BD-RE XLのブランクディスクを入れた状態。このメニューからフォーマットした方が、ディスクの容量が多くなるようです

三層式BD-RE XLのブランクディスクを入れた状態。このメニューからフォーマットした方が、ディスクの容量が多くなるようです

 なおレコーダーにブランクディスクをセットすると、画面右上に「残量」が表示されます。しかしこれは“本当に記録できる時間”よりも少ないのです。どうやらこの値は転送レート33Mbpsで算出されているようですが、実際には映像と音声だけのレートはもう少し低いので、結果として実質的な録画時間は多くなるということでしょう。

 ということで、ここではSCZ2060で番組を録画し、ダビングメニューに表示されるディスクの空き容量と、録画した番組ごとのデータ量&時間を調べ、それを元に録画可能時間を算出することにしました。

 またこれはパナソニック機だけかもしれませんが、BD-RとBD-REを比べると同じ一層でもREの方がちょっとだけ記録容量が多いんです。それを踏まえて、今回はBD-R/BD-REの一層、二層、さらに三層のBD-RE XLという5種類のディスクを準備して比べています。

 その結果はこちらの通り。

各種ディスクの実際の容量と録画可能時間(編集部調べ。NHKのBS 4Kで計算)
 BD-R:フォーマット後の容量=179632Mビット、録画可能時間=約1時間53分
 BD-RE:フォーマット後の容量=184152Mビット、録画可能時間=約1時間56分
 BD-R DL:フォーマット後の容量=364416Mビット、録画可能時間=約3時間49分
 BD-RE DL:フォーマット後の容量=368936Mビット、録画可能時間=約3時間52分
 BD-RE XL:フォーマット後の容量=736872Mビット、録画可能時間=約7時間44分

画像: SCZ2060の詳細ダビングメニューでは、ダビングしたい番組の容量(ダビングリスト容量)が表示される。ちなみにこの時の単位はMB=メガバイトです

SCZ2060の詳細ダビングメニューでは、ダビングしたい番組の容量(ダビングリスト容量)が表示される。ちなみにこの時の単位はMB=メガバイトです

 計算方法としては、各チャンネルの番組をいくつか録画し、番組のデータ量と時間(秒数)から転送レート(Mbps=Mビット/秒)を算出します。この値でブランクディスクの記録容量を割り算すると、実質的な録画可能時間が出てくるはず。

 『刑事コロンボ』の第一話「殺人処方箋」を例に取ると、録画時間は99分29秒(5969秒)で、番組のデータ量は19937Mバイトとなっています。

 まずデータ量を“バイト”から“ビット”に変換。1バイト=8ビットなので、ここは単純に8倍すればOK。「殺人処方箋」では19937Mバイト=159496Mビットになります。

 で、このビット数を秒数で割ると1秒当たりの転送レートが出てくる。この場合は159496÷5969で約26.72Mbpsという値になります。今回調べてみたところでは、各チャンネルとも26Mbps〜27Mbpsの転送レートで放送されているようです。

各4Kチャンネルの転送レート(編集部調べ)
 NHK BS4K = 26.57Mbps
 BS朝日 4K = 27.43Mbps
 BS-TBS 4K = 27.36Mbps
 BSテレ東 4K = 27.63Mbps
 BSフジ 4K = 27,67Mbps

 と、大まかな録画可能時間が分かったところで、次回は実際に2作品をどのようにディスクに残すかを検証します。

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