パナソニックは、同社初となる35mmフルサイズのイメージセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラLUMIX「DC-S1R」「DC-S1」を3月23日に発売する。また同時に標準ズームキットを同梱したパッケージも発売される。それぞれの市場想定価格は以下の通り。

画像: 「DC-S!R」(左)と「DC-S1」(右)のボディサイズは同じ。重さは本体のみでS1Rが898g、S1が899g

「DC-S!R」(左)と「DC-S1」(右)のボディサイズは同じ。重さは本体のみでS1Rが898g、S1が899g

DC-S1R ¥464,000前後(税別、ボディのみ)
DC-S1RM ¥576,000前後(税別、ズーム付属)
DC-S1 ¥314,000前後(税別、ボディのみ)
DC-S1M ¥426,000前後(税別、標準ズーム付属)

 本日開催された発表会では、パナソニック株式会社 執行役員 アプライアンス社副社長 渕上英巳氏が新製品の狙いについて紹介してくれた。

 同社は2008年10月に世界で初めてミラーレス一眼を発売して以来、プロフェッショナルにも使ってもらえるカメラを目指してきた。カメラで新しい写真文化の創造・提案をしたいという願いから、世界初の技術開発を続けてきたわけだ。それを支えたのが、ライカとの17年の協業だったそうだ。

 パナソニックは、オーディオビジュアルの世界では、インプットからアウトプットまでトータルソリューションを展開している。その入り口を担うのがLUMIXであり、今回のS1シリーズということだろう。それは静止画だけでなく、S1/S1Rでは4K/60pの動画撮影も可能になっていることからもうかがえる。

画像: パナソニックのミラーレス一眼10年の歩み

パナソニックのミラーレス一眼10年の歩み

 続いて同じくアプライアンス社 イメージングネットワーク事業部 事業部長の山根洋介氏から製品概要が紹介された。氏によると、そもそもDC-S1R/S1には4つの開発コンセプトがあるという。

 第1が「表現力」で、そのためにS1Rには4730万画素、S1には2420万画素の35mmフルサイズ・ローパスフィルターレスセンサーを搭載している。この違いはカメラとしての使い方にも現れており、パナソニックとしては、S1Rはよりハイクォリティな静止画を狙うユーザーに、S1は静止画だけでなく動画撮影も行なうマルチユーザーに使って欲しいと話していた。

 なおS1R/S1では新たに「HLGフォト」「ハイレゾモード」機能も搭載されている。「HLGフォト」はHLG(ハイブリッドログガンマ)に基づいて静止画を作成するもので、HDR対応の4Kテレビにつないで再生すると、SDRの3倍のダイナミックレンジを持つ映像が再現できる画期的な提案だ。4Kテレビとカメラの両方を手がけているパナソニックならではの発想といえるだろう。

 「ハイレゾモード」は、撮影時にイメージセンサーをシフトさせながら8枚連続で撮影を行ない、そのデータを合成処理することで、さらに高品質な静止画を作り出す仕組となる。S1Rでは1億8700万画素、S1では9600万画素相当の画素数を持つデータが生成されるので、細部まで美しく描写されるのは間違いない。なお、「ハイレゾモード」の映像はSILKYPIXなどのソフトウェアでRAW現像する必要がある。

画像: S1のレンズを外したところ。35mmフルサイズのセンサーが見える

S1のレンズを外したところ。35mmフルサイズのセンサーが見える

 また35mmフルサイズのミラーレス一眼としては世界で初めて、4K/60p動画の撮影にも対応した。S1Rでは「FULL」(イメージセンサーよりやや狭い画角)、「APS-C」(スーパー35mmの画角)、「PIXEL/PIXEL」(センサーの1ピクセルを動画の1ピクセルにして記録)の3種類の切り替えもできる。なおS1ではHLG動画の撮影も可能となっている。

 2番目の「基本性能」では、手ブレを正確に検出するジャイロセンサーを内蔵。そこからの信号と、撮像センサー、加速度センサーから得られる情報を元に補正を行なっている。ボディ内の5軸手ブレ補正とレンズ内手ブレ補正を組み合わせた「Dual I.S.2」により、中望遠〜望遠域でも高い補正効果を実現している。

 AF(オートフォーカス)関連では0.08秒の合焦速度を実現。さらにカメラが人の顔や瞳を認識して自動的にピントを合わせる顔・瞳認識AFや、人体認識AFも搭載された。加えてS1R/S1では新たに動物(犬科、猫科、鳥類)を認識する機能も追加されたので、ペットの撮影などでは活躍することだろう。

画像: ハイレゾモードでは、センサーをシフトしながら8枚の映像を同時に撮影する

ハイレゾモードでは、センサーをシフトしながら8枚の映像を同時に撮影する

 3番目は「操作性」で、まずはビューファインダーに576万ドットの0.5インチ有機ELパネルを採用、自社製のレンズを組み合わせ、自然な明るさで、周辺まで歪みのない視野を可能にしている。なお本体の液晶ファインダーは3.2インチ210万ドットタイプで、3軸チルト方式となる。

 記録媒体はXQDカードとSDカードの2スロットを準備し、XQDカードスロットは将来のファームアップでCFexpressカード(TypeB)にも対応する予定だという。

 最後の「堅牢性」は、プロカメラマンによるハードな撮影環境にも耐えられるように配慮している。ボディはマグネシウム合金製で、防塵・防滴仕様。さらにマイナス10度の環境でも使える耐低温性能も備えている。シャッターの耐久回数も40万回を達成している。

画像: 更なる表現力を求めるクリエイターの要望に応える。LUMIXから35mmフルサイズセンサーを搭載した「DC-S1R」「DC-S1」が登場。4K/60p動画も撮影できる

 S1R/S1のもうひとつのトピックが、レンズマウントにライカカメラ社のLマウントを採用している点だ。今回はS1R/S1用としてパナソニックから以下の3種類のレンズが、3月23日にカメラ本体と同時発売される。このうちS-R24105はレンズセットのDC-S1RM/S1Mに付属しているものと同じだ。

S-X50 ¥285,000(税別)焦点距離50mm、絞りF1.4〜16
S-R70200 ¥210,000(税別)焦点距離70〜200mm、絞りF4.0〜22
S-R24105 ¥160,000(税別)焦点距離24〜105mm、絞りF4.0〜22

 Lマウントレンズは今回3本のみだが、パナソニックでは2020年度中に10本以上のラインナップを揃える予定という。さらにライカからも2020年度中に18本、シグマは2019年から14本の発売を予定しているそうだ。

画像: パナソニック株式会社 執行役員 アプライアンス社副社長 渕上英巳氏(左)とアプライアンス社 イメージングネットワーク事業部 事業部長 山根洋介氏(右)

パナソニック株式会社 執行役員 アプライアンス社副社長 渕上英巳氏(左)とアプライアンス社 イメージングネットワーク事業部 事業部長 山根洋介氏(右)

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