日本オーディオ協会は、「ハイレゾオーディオワイヤレスロゴ」を新設し、本日(11月28日)からライセンスを始めると発表した。

画像: 新たにライセンスをスタートした「ハイレゾオーディオワイヤレス」のロゴマーク

新たにライセンスをスタートした「ハイレゾオーディオワイヤレス」のロゴマーク

 これまでハイレゾオーディオ対応機器には、その品質を保証する証として「ハイレゾオーディオロゴ」が付けられていた。マーク自体は登場して4年が経過しており、既に170社以上が参加、ロゴが付与された製品は2000モデルに及んでいる。

 その一方で、最近続々と登場しているワイヤレス再生機器(スマホやDAPからイヤホン、スピーカーなど)は「ハイレゾオーディオロゴ」の対象になっていなかった。そこでこれらのワイヤレス機器の音質をどう担保するかについて日本オーディオ協会で協議の結果、「ハイレゾオーディオワイヤレスロゴ」が策定されたそうだ。

画像: 「ハイレゾオーディオロゴ」の認証機器では、ヘッドホン/イヤホンが圧倒的に多い。しかしこれまではBluetooth伝送は対象外となっていた

「ハイレゾオーディオロゴ」の認証機器では、ヘッドホン/イヤホンが圧倒的に多い。しかしこれまではBluetooth伝送は対象外となっていた

 その条件としては、従来の「ハイレゾオーディオロゴ」が96kHz/24ビット以上の非圧縮/可逆圧縮のオーディオ信号(WAV/FLAC)を伝送できることを基本としていたのに対し、「ハイレゾオーディオワイヤレスロゴ」では、これらのオーディオ信号を伝送する帯域を持たないワイヤレス接続(Bluetoothなど)において、圧縮した状態で伝送した場合でも充分な音質を持っているかが審査される。

 もう少しわかりやすく説明すると、機器間(DAPとイヤホンなど)をBluetoothでつないで音楽を再生した場合に、96kHz/24ビット以上の音楽ソースを圧縮して伝送ができ、かつ音質的にも優れているものに「ハイレゾオーディオワイヤレスロゴ」が付けられるというわけだ。

画像: 「ハイレゾオーディオ」と「ハイレゾオーディオワイヤレス」の両方に対応するためには、有線接続時のハイレゾ伝送クォリティに加えて、無線伝送(Bluetooth)のコーデックが認証されている必要がある

「ハイレゾオーディオ」と「ハイレゾオーディオワイヤレス」の両方に対応するためには、有線接続時のハイレゾ伝送クォリティに加えて、無線伝送(Bluetooth)のコーデックが認証されている必要がある

 「ハイレゾオーディオワイヤレスロゴ」のキーは、Bluetooth伝送時のコーデックにある。96kHz/24ビット以上の入出力が必要なので、例を挙げると「LDAC」が候補となるだろう。それらのコーデックについて、これからオーディオ協会が提供するテスト信号を評価ツールで検証し、充分な性能であることが確認された後、認証される。もちろん、音質評価についても細かな条件が定められている。

 コーデックを申請できるのは、各コーデックのIP保持者(ライセンサー)のみとなるが、一方で、認証されたコーデックを採用した製品には、「ハイレゾオーディオワイヤレスロゴ」が使えることになる(機器ごとの申請は必要)。ここでもうひとつ重要なのは、無線伝送以外の性能(内蔵DACチップなど)は、「ハイレゾオーディオロゴ」と同等の性能を求められることだ。

 また、ヘッドホンなどで有線/無線の両方でプレーヤーとつなぐことができる製品については、両方の条件を満たしていたら、「ハイレゾオーディオロゴ」と「ハイレゾオーディオワイヤレスロゴ」のふたつを掲載できるそうだ。

 ちなみに左右完全独立のワイヤレスイヤホンのように、製品内でもワイヤレス伝送を使っているものについては、評価方法・評価指標の検討が充分ではないとの判断から、当面はロゴの対象製品にはしないとのことだ(継続して審議中)。

画像: Bluetoothのコーデックが認証されていない場合は、「ハイレゾオーディオワイヤレス」のロゴマークは使えない

Bluetoothのコーデックが認証されていない場合は、「ハイレゾオーディオワイヤレス」のロゴマークは使えない

画像: 日本オーディオ協会 専務理事 技術会議議長の森美裕さんが詳細について解説してくれた

日本オーディオ協会 専務理事 技術会議議長の森美裕さんが詳細について解説してくれた

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