去る10月27日(土)、宮城県仙台市のオーディオ専門店「仙台のだや」で、ステレオサウンドのソフトを使った特別体験試聴会が開催された。今回の会場となった仙台のだやは、JR仙台駅から徒歩15分ほど、仙台中央郵便局と東北大学に挟まれた大通りに面して店を構える。今年で創業39年を迎えたという同店のセールスポイントは「専門店ならではの知識と経験に基づく確かなセッテイング」 地元のオーディオ愛好家はもちろん、最近では県外のマニアからの信頼も高まっているという。

 そんな仙台のだやは、1階がビジュアル機器を含めた最新製品の販売スペース。店舗奥にはリビング風のテーブルが備えられ、コーヒーのおもてなしなどにあずかりつつ、じっくりとオーディオ機器の導入について相談に乗ってもらうことができる。来店したお客様同士による情報交換の場にもなっており、試聴会開催当日も朝から多くのお客様があり、熱いオーディオ談義が繰り広げられていた。

 さて試聴会はというと、今回使用するスピーカーであるFocalの高級ラインMaestro Utopia EVOの移動、それをドライブするパワーアンプや再生に使うプレーヤー類のセッティングなどは前日の26日(金)夕方から準備が始められており、開催当日は朝からパワーアンプを中心にヒートアップが行なわれた。今回、試聴機器として準備していただいたオーディオ機器のラインナップは以下のとおり。SACDプレーヤーやアンプにはESOTERICの最高グレードの製品をご用意いただいたことから、セッティングや音の調整役として、わざわざ東京からエソテリック株式会社のスタッフが駆けつけてくださっている。これは、いい音でお聴きいただくことができた大切なポイントのひとつといえるだろう。

●主な試聴機器
スピーカー:FOCAL Maestro Utopia Evo
SACDプレーヤー(D/Aコンバーター):ESOTERIC GRANDIOSO K1
プリアンプ:ESOTERIC GRANDIOSO C1
モノーラルパワーアンプ:ESOTERIC GRANDIOSO M1
アナログプレーヤー:LUXMAN PD-171A
カートリッジ:van den Hul VDH-COLIBRI
フォノイコライザー:Phasemation EA-1000
NAS:DELA HA-N1ZS20/2A

1回目となる13時からの試聴会スタート時には、会場の椅子はほぼ全て埋まり、急遽座席を追加することに。店舗前の駐車場も満車となったため、仙台のだやのスタッフが近隣のパーキングを案内するほどで、たくさんのお客様にお集まりいただいた。試聴会は、全体をコーディネイトしていただいた仙台のだやの河野さんにまずご挨拶いただき、その後ステレオサウンドスタッフに引き継がれてスタート。まず最初にかけたのは『Contempory Records Vol.1』のDisc 1『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション』から、定番中の定番「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」だ。克明にリズムを刻む右チャンネルのピアノ、ベース、ドラムス。ナマナマしく歌うように奏でる左チャンネルのアルトサックス。いつもにも増して、軽快でナマナマしいサウンドがのっけからお客様の心を鷲掴みにしたようだった。

 続いて、今秋発売となったばかりの新しい作品5枚をご紹介。まずは尾崎亜美初のSACD『POINTS-2』『Air Kiss』、続いてクリティクスシリーズの新譜『東京・青山骨董通りの思い出』、そしてオーディオ名盤コレクションシリーズのクラシック2作品『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第三番』『ベルリオーズ:幻想交響曲』へと進行。『東京・青山骨董通りの思い出』の1曲目、明るくポップな「Your Smiling Face」を再生すると、会場は一気に和やかな空気に。このディスクでは、世界でも初めてSACD化された楽曲が多いことから注目度は抜群。試聴会が終了してからも、いくつかの質問や楽曲の再生リクエストをいただいた。
 プログラム後半は、いつもの定番プログラムで進行。ガラスCD『J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲 / グレン・グールド』、DSD 11.2MHzのクラシックコンテンツ『ドヴォルザーク:交響曲第9番 新世界より』、そしてワーグナーの『ニーベルングの指環 第一日』から『ヴァルキューレの騎行』など、重厚なクラシックコンテンツ三昧だ。 
 上記に加え、試聴プログラムの要所には、アナログレコードの試聴タイムも設定。今回は、滅多に聴けないオランダのvan den Hul製フォノカートリッジVDH-COLIBRI(82万円!)が準備されていたので、これを使ってステレオサウンド制作のLPレコード「ベスト/石川さゆり」を再生してみることに。盤面の状態にたいへん敏感に反応する本カートリッジの針を落とし、ゆっくりとエソテリックのプリアンプGRANDIOSO C1のボリュウムを上げてゆく。すると、石川さゆりの声だけがバックの演奏からふっと切り取られたように浮かび上がり、不思議な感じの立体音像を感じることができた。これはちょっとゾクゾクする体験で、ご来場いただいた皆様には、アナログレコード再生の奥深さとオーディオの面白さを再発見していただけたのではないかと思う。

 仙台のだやでは、この秋から冬にかけて、またいくつかの試聴会が開催されるとのこと。もしチャンスがあれば、一度お店を訪ねてみるといいだろう。ステレオサウンドからリリースしている数々の音楽ソフトがご注文いただけるほか、2018年の最新オーディオの魅力にたっぷりと浸ることができるだろう。

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