フランスを代表するオーディオメーカー・フォーカルより、トップシリーズ「ユートピア」の新モデル「Grande Utopia EM Evo」「Diablo Utopia Evo」の2モデルが発表された。価格は「Grande Utopia EM Evo」が¥27,000,000(ペア・税別)、「Diablo Utopia Evoが」¥1,560,000(ペア・税別)となっている。11月からの発売で、「Grande Utopia EM Evo」のみ受注生産となっている。

 フォーカルのトップシリーズにあたる「ユートピア」は同社技術を集結させたラインで、昨年中堅モデル「Maestro Utopia Evo」¥6,800,000(ペア・税別)「Scala Utopia Evo」¥4,200,000(ペア・税別)を発表し新たに“Evo”の名がつけられた。今回のリニューアルもそれに伴なうもので、従来機に“Evo”を冠したものになっている。

フォーカル旗艦モデル「Grande Utopia EM Evo」

画像: ▲Grande Utopia EM Evo

▲Grande Utopia EM Evo

 同社最上位モデルにあたるペア2,700万円の「Grande Utopia EM Evo」は、Grande Utopiaとしては4代目のモデルで前作「Grande Utopia EM」から約10年ぶりの登場となった。今回はマイナーチェンジ要素が多く、基本構成は前作を引き継ぐ。

 型式は4ウェイ5スピーカーのバスレフ型で、ミッドレンジ帯域をミッド・ローと、ミッド・ハイの2分割にした構成。ユニットを見ていくと、最上段には硬質発泡材(ロハセルフォーム)をグラスファイバーで挟み込んだWサンドイッチコーン振動板を使った27cm口径のミッド・ローを配置。振動板のカッティング方式には新たにレーザーカッティングが採用され、より精密な加工が可能になったという。この大口径ユニットを駆動する磁気回路にはマルチフェライトマグネットが使用されている。

 トゥイーターを挟みこむように配置されるのは、16.5cm口径のミッド・ハイで、フォーカル史上最高のミッドレンジを謳うもの。新たにエッジ部には不要な振動を低減させるTMD(チューンド・マス・ダンパー)を採用し、磁気回路の磁界乱れを抑えるショートリング・NIC(ニュートラル・インダクタンス・サーキット)も搭載されている。このふたつの組み合わせなどにより、従来機より約50%歪みを低減させることができているという。3つのミッドレンジユニットの搭載は、エンクロージャーに直接マウントされるのではなく新設された強固なアルミダイキャスト製フレームを介して強力に固定されている。

 また、トゥイーターはIAL2と呼ばれるユートピアシリーズでのみ使われる高性能品。振動板素材はピュアベリリウムで、おなじみの逆ドーム型になっている。最下段の40cm口径ウーファーは、電磁石を用いるEM(エレクトロ・マグネット)システムを採用したもので、最低域再生周波数は18Hzだ。

画像: ▲IALトゥイーターは側面と背面の計3箇所から効率的にで空気の減圧をする仕組みをとっている

▲IALトゥイーターは側面と背面の計3箇所から効率的にで空気の減圧をする仕組みをとっている

 そのほか前モデルからの変更点として、ネットワーク回路ならびに使用パーツを一新し、内部配線材も新たにフランス製のもの採用。低域の吸音材の素材も改め最適な低音量感へと改善したという。

画像: ▲トップ機Grande Utopiaの系譜。今回で4代目のモデルとなった

▲トップ機Grande Utopiaの系譜。今回で4代目のモデルとなった

シリーズ最小のブックシェルフ機「Diablo Utopia Evo」

画像: ▲Diablo Utopia Evo

▲Diablo Utopia Evo

 もう1モデルの「Diablo Utopia Evo」¥1,560,000(ペア・税別)は、シリーズ最小機で唯一のブックシェルフ型。2ウェイ構成で、27mドーム型トゥイーターは「Grande Utopia EM Evo」と同じくIAL2を搭載。16.5cm口径のウーファーは前述のミッド・ハイユニットで使われているものとは異なり、フェライトマグネットを使用した独自のパワーフラワー型磁気回路を使った16.5cm口径のもの。TMDとNICも搭載されていない。専用スタンドも用意されており価格は¥240,000(ペア・税別)。

 カラリングは「Grande Utopia EM Evo」「Diablo Utopia Evo」ともに、ブラックラッカー、メタリックブルー、アッシュグレイ、ブリティッシュレーシンググリーン、カララホワイトの5色を用意する。

 このほか、来年2019年3月発売予定として、「Grande Utopia EM Evo」の弟モデル「Stella Utopia EM Evo」も発表された。価格は¥15,000,000(ペア・税別)を予定しているという。

Grande Utopia EM Evoの主な仕様

●型式:4ウェイ5スピーカー・バスレフ型
●使用ユニット:27mm逆ドーム型トゥイーター、165mmコーン型ミッドレンジ・ハイ×2、270mmコーン型ミッドレンジ・ロー、400mmコーン型EMシステムウーファー
●クロスオーバー周波数:80Hz、220Hz、2.2kHz
●インピーダンス:8Ω
●再生周波数帯域:18Hz〜40kHz
●寸法/質量:W654×H2012×D880mm/265kg

Diablo Utopia Evoの主な仕様

●型式:2ウェイ2スピーカー・バスレフ型
●使用ユニット:27mm逆ドーム型トゥイーター、165mmコーン型ウーファー
●クロスオーバー周波数: 2.2kHz
●インピーダンス:8Ω
●再生周波数帯域:44Hz〜40kHz
●寸法/質量:W258×H431×D427mm/20kg(スタンド含まず)

画像: ▲今回の2モデルと来年の発売の「Stella Utopia EM Evo」を揃えてユートピアシリーズはすべて“Evo”仕様のモデルとなる

▲今回の2モデルと来年の発売の「Stella Utopia EM Evo」を揃えてユートピアシリーズはすべて“Evo”仕様のモデルとなる

画像: ▲フォーカル輸入元のラックスマンにて、発表に先がけて内覧会が行なわれた。実際に試聴室に「Grande Utopia EM Evo」が置かれていたが写真の様子から実際の大きさ高さ2m12cmがお判りいただけるだろう

▲フォーカル輸入元のラックスマンにて、発表に先がけて内覧会が行なわれた。実際に試聴室に「Grande Utopia EM Evo」が置かれていたが写真の様子から実際の大きさ高さ2m12cmがお判りいただけるだろう

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