CEATEC JAPAN 2018のHALL6、電子部品/デバイス&装置エリアにも、オーディオビジュアルファンにとって重要な展示があった。

 ソシオネクストのブースでは、世界で初めてHDMI 2.1規格の送信・受信に対応した8K映像処理・表示制御用チップ「HV5シリーズ」を開発し、展示していた。

 HDMI 2.1は8Kや10Kの伝送まで視野に入れた規格として2017年に策定された。伝送最大帯域は48Gpbsまで高められ、大容量コンテンツの高画質・高音質かつ低遅延での伝送を可能にしている。

画像: ▲SC1H05AT1のデモコーナー。UHDブルーレイの信号を基板に入力し、8Kにアップコンバートしてテレビで表示。アップコンの効果をオン/オフで比べていた

▲SC1H05AT1のデモコーナー。UHDブルーレイの信号を基板に入力し、8Kにアップコンバートしてテレビで表示。アップコンの効果をオン/オフで比べていた

 今回展示されていたのは、8K用映像処理LSIの「SC1H05AT1」と、8K映像出力I/F変換LSIの「SC1H05AC」シリーズというラインナップだ。

 まずSC1H05AT1は、HDMI2.1/HDCP2.3対応のHDMI端子1系統と、V-By-One入力5系統に対応したチップとなる。V-By-Oneとはテレビセットの内部でチップからパネルに信号を受け渡す際のインターフェイスを指す。

画像: ▲左が4K信号処理基板で、ここからのV-By-One出力を右の基板に入力、HDMI2.1出力からテレビにつないでいた。中央の白いヒートシンクの下にSC1H05AT1のLSIが取り付けられている

▲左が4K信号処理基板で、ここからのV-By-One出力を右の基板に入力、HDMI2.1出力からテレビにつないでいた。中央の白いヒートシンクの下にSC1H05AT1のLSIが取り付けられている

 つまりSC1H05AT1は、HDMIからの8K入力の他に既存の4Kテレビ等で使われている信号処理チップからの信号も受け付けてくれる。ということは、4Kテレビの信号処理後段にSC1H05AT1を加えることで、8Kテレビを作れることになる(もちろん8Kパネルは別途必要だが)。

 同社でもそれを意識しているようで、V-By-Oneからの4K信号を8Kにアップコンバートする機能もチップに搭載している。これはチップ内部でリアルタイムに2種類の超解像を行なってその結果を比較、ディテイル再現の自然な方を再現する「比較型超解像」という独自方式となる。実際にUHDブルーレイでデモを行なっていたが、木立の細かな葉っぱの再現などに明確な違いが現れていた。

 SC1H05AT1は8K/60pの信号処理まで対応しているが、2基を並列で使うことで8K/120p信号も表示できるそうだ。

画像: ▲SC1H05ACシリーズのデモ。右の基板で4系統のHDMI2.0端子から入力した8K信号を、上端のHDMI2.1端子から出力する

▲SC1H05ACシリーズのデモ。右の基板で4系統のHDMI2.0端子から入力した8K信号を、上端のHDMI2.1端子から出力する

 もうひとつのSC1H05ACシリーズは、HDMI2.0の仕様で送られてきた8K信号を受け、HDMI2.1に変換して出力するLSIだ。入力や出力インターフェイスとしてHDMIケーブルやV-By-Oneがそれぞれ準備されており、搭載するセットに応じて4種類から選べるようになっている。

 両チップとも、各種映像機器メーカーに向けて2019年3月より順次販売を開始する予定という。

画像: ▲SC1H05AT1のスペックシート

▲SC1H05AT1のスペックシート

This article is a sponsored article by
''.