スタジオの音づくりのノウハウを活用し「Victor」ブランドを積極展開!

 JVCケンウッドは18日、都内で発表会を開き、同社が昨年復活させた「Victor」ブランドの今後の戦略と、同ブランドのイヤホンの新製品「HA-FW10000」の説明を行なった。

 まずは、同社ブランド戦略部 部長 山本耕志氏が登壇し、「Victor」ブランドの今後の展開について語った。今後は“音”にこだわった製品やサービス、ソリューションに対して同ブランドを冠していくそうで、時期を見てグローバルにも展開していく予定だという。同時に、音に関する制作現場のノウハウを知り尽くしたエンジニア=VICTOR STUDIOの知見も活用し、その関与の度合いによって、「Produced by VICTOR STUDIO」(製品トータルの仕様の監修を行なったもの)、「Tuned by VICTOR STUDIO」(音質の調整を行なったもの)、「Made by VICTOR STUDIO」(スタジオのノウハウを活用して作った、音関連以外の製品などに付与)といったブランディングも行なうという。

画像: Victorブランド戦略について語る、ブランド戦略部 部長の山本氏

Victorブランド戦略について語る、ブランド戦略部 部長の山本氏

 なお、昨年Victorブランド復活時に発表された、頭外定位技術「EXOFIELD」を搭載したヘッドホンシステム「WiZMUSIC」の単体販売開始もアナウンスされた(2018年11月より)。型番は「HA-WM90-B」となり、購入方法は2種類。一つは製品単体の購入。こちらの想定市場価格は¥350,000前後。もう一つはJVCケンウッドと提携する販売店で、WiZMUSICと同様の測定サービスを行なうもので、こちらは想定市場価格¥450,000前後となる。提携する販売店は今後発表される。

【関連記事】Victorブランドが復活。第1弾にヘッドホンでスピーカーの音場を再現する新技術「EXOFIELD」発表⇒http://www.stereosound.co.jp/review/article/2017/03/14/54610.html

 加えて、Victorブランドとしてウッドコーン搭載のミニコンポも、来年(2019年)2月に発売されることがアナウンスされた。ブランディングとしては先述の「Tuned by VICTOR STUDIO」となる。現行のウッドコーンシステムをベースにチューニングが行なわれるそうだが、現状では詳細は不明。ただし、市場動向を鑑みて、ハイレゾ音源の再生、Bluetooth再生、オリジナルの高音質技術「K2 TECHNOLOGY」といった機能には対応するという。

画像1: ミニコンポ・ウッドコーンの試作機。2019年2月の発売予定

ミニコンポ・ウッドコーンの試作機。2019年2月の発売予定

画像2: ミニコンポ・ウッドコーンの試作機。2019年2月の発売予定

ミニコンポ・ウッドコーンの試作機。2019年2月の発売予定

画像: 試作機の天面。Victorのアイコンでもあるニッパーが描かれている

試作機の天面。Victorのアイコンでもあるニッパーが描かれている

 なお、現在JVCケンウッドブランドで展開されているハイエンドモデル「CLASS-S」シリーズの製品(イヤホン、ヘッドホン)は、今後順次Victorブランドへの転換が行なわれるそうだ。

画像: Victorブランドについて語る、メディア事業部長の林氏

Victorブランドについて語る、メディア事業部長の林氏

音質にも、仕上がりにもこだわったフラッグシップモデル「HA-FW10000」

 発表会の第2部では、待望の新製品「HA-FW10000」の説明が行なわれた。こちらは、11月上旬の発売で価格はオープン。想定市場価格は¥180,000前後だ。ちなみに、木の振動板を使ったWOODシリーズは今年で、初代「P-FX500」が発売された2008年からちょうど10年目であり、今回Victorブランドを冠したHA-FW10000は、WOODシリーズのフラッグシップモデルという位置づけとなる。

画像: ▲VictorブランドのWOODシリーズのフラッグシップモデルとなる「HA-FW10000」

▲VictorブランドのWOODシリーズのフラッグシップモデルとなる「HA-FW10000」

 搭載するドライバーには、当然ながら同社が得意とする“木”が用いられており、本製品では薄さ50μmという向こうが透けて見えるほどの薄くて軽いウッドドームを、カーボンコーティングしたPET振動板に組み合わせることで、主に低域部分に力感のある再現を実現したという。再生周波数帯域は6Hz~52kHzのハイレゾ対応だ。

 また、音響パーツを収納するハウジングと、ケーブルコネクト部分を分離させることで、ハウジングの形状のデザインの自由度が高まり、結果0.1mm単位にまでこだわった設計を行なったのだという。なお、そのハウジングには天然素材や日本ならではの職人の技巧が随所に盛り込まれており、楓の無垢材からの削り出しボディは表面には多層の漆塗が施され、高級感と同時に、硬度のある外装によってクリアーな響きも楽しめる製品に仕上がった。

 なお、HA-FW10000はリケーブルも可能で、プラグ形状はMMCXを採用しているので、他社製のケーブルへの換装、あるいは、同社のBluetoothレシーバー「SU-ARX01BT」と組み合わせることで、ワイヤレス化も可能。付属ケーブルについては、LRをセパレートした構造とすることで、ピュアな伝送を実現。加えて、芯線に絹を用いることで、余計な振動を効率的に吸収できるそうで、結果、滑らかな響きの再現にも寄与しているという。プレーヤー側のプラグは3.5mmステレオミニとなる。ちなみに、このケーブルの単品発売や、プラグ形状(2.5mm、4.4mm)などのラインナップ化については未定。

画像: リケーブル対応でMMCX仕様

リケーブル対応でMMCX仕様

画像: 専用ケースも付属する。イヤーピースは装着感を高めた「スパイラルドット+」とシリコン製の2種類が同梱となる

専用ケースも付属する。イヤーピースは装着感を高めた「スパイラルドット+」とシリコン製の2種類が同梱となる

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