エントリーモデルの「KX-0.5」から直販限定の特別色も登場!

 スピーカーを中心とした日本のオーディオブランド・クリプトンの新製品内覧会が先日開催された。ここでは内覧会その1としてパッシヴ型スピーカーシステム2モデルを紹介する。

画像: 「KX-3Spirit」(写真中央)

「KX-3Spirit」(写真中央)

KX-3Spirit
¥385,000(ペア・税別)10月下旬発売開始
型式:2ウェイ2スピーカー・密閉型
使用ユニット:35mmリング型トゥイーター、170mmコーン型ウーファー
クロスオーバー周波数:3.5kHz
出力音圧レベル:87dB/W/m
インピーダンス:6Ω
再生周波数帯域:40Hz〜50kHz

 まずは、クリプトンのミドルレンジスピーカーにあたるKX-3シリーズの新作「KX-3Spirit(スピリット)」を紹介する。同社の密閉型パッシヴスピーカーは全部で5ラインに分かれており、最上級機「KX-1000P」(トールボーイ型)を除き、すべてブックシェルフ型で構成される。なのでKX-3シリーズは全体では上から3番目、ブックシェルフ型でいうと上から2番目のラインにあたる。

 同KX-3シリーズは、2005年の初代「KX-3」の発売から今作で第5世代となった。前作「KX-3PⅡ」(2011年発売)からの大きな変更点は以下の3点。

●エンクロージャーの仕上げ変更
●イコライザー付きリング型トゥイーターの新搭載
●内部配線、吸音材などチューニングの変更

 エンクロージャーは、従来のピアノ仕上げから新規のスモークユーカリ仕上げに変更。ベースとなるユーカリ材は家具などにも使われる素材で、木目は美しく木材としては硬いもので音響的に優れている点が多いという(実際のユーカリ材は白いが、酸につけることでスモークがかったような風合いに変化するそうだ)。このユーカリ材の上にピアノ塗装の時と同じくポリエステルを塗っているという。同社廉価モデル「KX-0.5」などでは生産性の高いウレタン塗装をしているというが、より美しいフィニッシュになるように手間のかかるポリエステル塗装をしているという。

 スピーカーユニットでは、前述の通りトゥイーターが従来のドーム型から上位モデル含めた同社ほかのスピーカーと同じくリング型に変更された。このリング型トゥイーターには既におなじみとなっている砲弾型イコライザーがつけられており、ハイレゾ対応の50kHzまで再生が可能だ。17cmコーン型ウーファーの振動板はドイツのクルトミュラー社製のコーン紙が使われているのは従来と変わらない。また、両ユニットともに現在では使用するメーカーも減ってきたアルニコマグネットを使用しているのも特筆すべき点だ。

画像: 17cm口径のクルトミュラーコーン紙を使ったウーファーには、4層巻きのボイスコイルを採用。最低域再生周波数は35Hzとなっており、密閉型ブックシェルフながらかなり低域まで再生が可能だ

17cm口径のクルトミュラーコーン紙を使ったウーファーには、4層巻きのボイスコイルを採用。最低域再生周波数は35Hzとなっており、密閉型ブックシェルフながらかなり低域まで再生が可能だ

 内部配線材にも変更が加えられており、にごりのない透明な再生を目指しマグネシウム芯線(単線)にPC-TripleCを巻きつけた特殊なスピーカーケーブルを使用。マグネシウム芯線を使うことで50~60Hz付近での効果的な振動低減をしているという。前述のトゥイーター変更に伴ないミスティックホワイトとウールの2種類を使用する吸音材の再調整なども行なわれている。

画像: スピーカー端子はバイワイヤリング対応。写真のジャンパー線は内部配線材と同じものを使用している

スピーカー端子はバイワイヤリング対応。写真のジャンパー線は内部配線材と同じものを使用している

画像: クリプトン・密閉型パッシヴスピーカーのラインナップ一覧(販売終了モデル含む)

クリプトン・密閉型パッシヴスピーカーのラインナップ一覧(販売終了モデル含む)

画像: 一番左からフラッグシップモデルの「KX-1000P」¥950,000(ペア・税別)、「KX-3Spirit」、さらにアクティブ型の「KS-9Multi+」と「KS-55」。最後の2モデルについては新製品発表その2、3でお伝えする

一番左からフラッグシップモデルの「KX-1000P」¥950,000(ペア・税別)、「KX-3Spirit」、さらにアクティブ型の「KS-9Multi+」と「KS-55」。最後の2モデルについては新製品発表その2、3でお伝えする

オンラインサイト限定販売の特別高級仕上げモデルも登場

 続いて、密閉型パッシヴスピーカーのエントリーモデル「KX-0.5」(ゼロポイントファイブと読む)に特別仕上げの「KX-0.5UR」(朱塗り)「KX-0.5UB」(溜塗り)が追加された。ベースモデル「KX-0.5」は¥185,000(ペア・税別)だが、今回登場した特別仕様2モデルはなんと価格¥400,000(ペア・税別)。10月下旬の発売を予定している。

画像: 左「KX-0.5UB」右「KX-0.5UR」

左「KX-0.5UB」右「KX-0.5UR」

 同社ではすでに「KX-3UR」「KX-3UB」「KS-9Multi U」など漆塗り仕上げのモデルを発売中で好評を得ているという。そのため今回こちらも人気の「KX-0.5」をベースにした漆塗り仕上げのモデルを開発したそうだ。植物樹脂である漆は、木製エンクロージャーとの親和性が高く、解像度の高い音が再生できると同社ではいう。UR型番は朱塗り仕上げ、UB型番の溜塗り仕上げとは、下地に赤色を着色し、仕上げに半透明の漆を塗ることで下地が透けて見える塗り方だ。

画像: 写真は「KX-3UR」「KX-3UB」での漆仕上げの工程。今回の2モデルも同様工程だといい、手間のかかる仕上げになっているというのがお分りいただけるだろう

写真は「KX-3UR」「KX-3UB」での漆仕上げの工程。今回の2モデルも同様工程だといい、手間のかかる仕上げになっているというのがお分りいただけるだろう

 サランネットも変更されており、京都にある着物などを手がける老舗、誉田屋源兵衛の正絹西陣織を採用(KS-9Multi Uでも採用)。この織は、サランネットとして使うことによる音への影響が少なく、なめらかで芳醇なサウンドに仕上げられるそうだ。

画像: 手前「KX-0.5UB」、奥側「KX-0.5UR」に西陣織サランネットをつけた状態

手前「KX-0.5UB」、奥側「KX-0.5UR」に西陣織サランネットをつけた状態

 外装仕上げとサランネットの変更以外、オリジナルの「KX-0.5」と変更されている点はない。なお、この2モデルは大量生産が困難などの理由からクリプトンオンラインサイト専売モデルとなっている。

KX-0.5UR/UBの主なスペック

型式:2ウェイ2スピーカー・密閉型
使用ユニット:35mmリング型トゥイーター、140mmコーン型ウーファー
クロスオーバー周波数:3.5kHz
出力音圧レベル:87dB/W/m
インピーダンス:6Ω
再生周波数帯域:50Hz~50kHz
寸法/質量:W194×H352×D319mm/7.6kg

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