映画『高崎グラフィティ。』が8月25日からアップリンク渋谷、イオンシネマ シアタス調布ほかで公開される(18日からシネマテークたかさき、イオンシネマ高崎で先行上映)。これは、群馬県高崎市の高校に通っていた5人の男女が、卒業式を終えて次のステップへ進もうとする数日間を描いた青春群像劇。

 幼なじみの美紀、寛子、優斗、直樹、康太の5人は高校を卒業し、それぞれが未来への夢や不安を抱えていた。そんな中、美紀の父親が娘の入学金を持ったまま疾走する。寛子の彼氏にはある疑惑が浮かびあがり、優斗はふとしたきっかけで犯罪に巻き込まれ、直樹と康太も屈折を持てあまし……。悩みながら、それぞれが新しい一歩を踏み出していく過程をていねいに描く。映像制作会社・オフィスクレッシェンドが次世代クリエイターの発掘・育成を目指して創設した映像コンテスト「未完成映画予告編大賞 MI-CAN」第1回でグランプリを獲得した企画の映画化で、監督の川島直人の長編映画デビュー作でもある。寛子役の岡野真也に話をきいた。

――『高崎グラフィティ。』出演のいきさつを教えていただけますか。
 最初から寛子の役でオーディションを受けていて、それまでの私の役ではあんまり出てこないようなミニスカートとちょっと派手めのTシャツを着ていきました。そうしたらすごく印象が強かったみたいで、監督に笑われて、今でも言われます。最初にいただいた台本は抜粋でしたけど、今の青春映画のキラキラした感じというよりは、ていねいにじっくり描いていく作風で面白いなと思いましたし、「未完成映画予告編大賞」は以前から知っていたので、その第1回グランプリ作品というのも魅力のひとつでした。

――『ゆらり』(昨年11月公開)では母親役でしたが、今回は女子高生役です。
 振り幅がありますよね(笑)。「まだJKで選んでもらえるんだ」と、ちょっと安心できました。

――役作りについて特に心がけたことは?
 まずは5人が仲良くなるのが先決かなと思って、わりと密に連絡をとったり話したり、普段の私からは想像できないぐらい大きく一歩踏み込んで仲良くなりました。寛子の母親はスナックで働いています。私の周りでも近い人がいたので、その人に話をきいて寛子像を固めたところもあります。あとは、どれだけ寛子は彼氏のことが好きなんだろうとか、女子の派閥に挟まれてどれくらいの塩梅で苦しんでいるのかな、とか想像していきました。

――美紀(佐藤玲)、香澄(冨手麻妙)との、女子の火花が散るシーンもありました。
 寛子は争うというよりも、作り笑顔を必死にして場をおさめようとするタイプですね。本当に女子だけのシーンは難しかった。カラオケやパーティーのシーンも何回も撮影したんですけど、なかなかリアルな女子の世界を作り出すのは大変で、監督も「女子のことは君たちにまかせる」という感じで。ちょっと自分の高校時代を思い出して演じました。

――寛子はとにかく年上の彼氏のことで頭がいっぱいで……。
 私は「目を覚ませよ寛子!」って思いましたけどね。彼氏がまた、いい感じでダメなキャラクターで、すぐにふてくされて。「(寛子は)なんでそこにいったんだろう」って思ったんですけど、彼女にとっての真実はそこにしかないって感じだったんでしょうね。卒業も決まっているけど、就活もしてないし進学も考えてない。だけど母親のお店は継ぎたくないし……。もう彼氏と結婚するしか道はない。(彼氏に)疑いを持っても、それをどうにか取り繕って生きていくしかないというのが寛子なんだと思います。

――画面の中での登場人物が、本当に生き生きしています。
 自由に演じた、という実感がありましね。毎回(毎テイク)、違うところがあったと思います。もうちょっと気持ちを強く出しても大丈夫かなと思って1回目と2回目で立つタイミングを変えたり。カメラマンさんに申し訳ないぐらい、のびのびやらせてもらいました。

――そして5人ともキャラが立っていて、見た人はきっと必ず登場人物の誰かに自分を投影するんじゃないかと思います。ぼくは直樹に感情移入しました。ちゃらんぽらんなところもあるけど、熱血で。
 直樹はいい奴です。監督に「寛子という役は女性版の直樹だと思うんですよ」って言ったことがあるんです。そうしたら「ああ、そうだね」って。寛子は直樹に同志のような気持ちを抱いているのかな。空気を読むのがへたくそだけど、でも空気を読みたくて友達思いで。そこが寛子と近いなと思っていて、だからこそ直樹に頼ってしまう。

――今後、こうした役をやってみたいというのは?
 悪役をやってみたいという気持ちは相変わらずです(笑)。本当に年々、お仕事が楽しいんです。去年はテレビドラマに多く出させていただいたんですが、今後は映画や舞台にもギュッと入り込んでいきたいですね。もっともっとお芝居に深みが出せたらいいなと思います。

 ちなみに美紀の“失踪する父親”は渋川清彦が演じている。渋川といえばあの『下衆の愛』で岡野真也と名演を繰り広げたことも記憶に新しい。『高崎グラフィティ。』でふたりが揃うシーンはあるのか、だとしたらそれはどんなシチュエーションなのか? スタッフの間で“伝説”と呼ばれているという土手のシーンとはいったい何なのか? ぜひ劇場に足を運び、みずからの目でご確認いただきたい。

映画『高崎グラフィティ。』

画像: 映画『高崎グラフィティ。』

8月25日より公開
<キャスト>
佐藤玲、萩原利久、岡野真也、中島広稀、三河悠冴 ほか
<スタッフ>
●監督:川島直人●製作:長坂信人●脚本:小山正太●撮影:武井俊幸●後援:ドリームインキュベータ●制作プロダクション:オフィスクレッシェンド●配給:エレファントハウス
(C)2018オフィスクレッシェンド

●ヘアメイク:杉本妙子(ひつじ)
●スタイリスト:瀬川結美子

公式サイト http://takasaki-graffiti.com/
岡野真也 https://ameblo.jp/maya-okano/
岡野真也 https://twitter.com/mayaokano

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