「UD-505」はDSD 22.6MHz、PCM 768kHz/32bitに対応する超ハイスペック機

画像1: 「UD-505」はDSD 22.6MHz、PCM 768kHz/32bitに対応する超ハイスペック機

 長い間、本格的なオーディオ機器の寸法といえば「430mm幅」が基本だった。その常識を打ち破って高いセールスを叩き出したのが、2012年に発表のティアック「Reference501」シリーズだ。コンパクトな筐体に高い再生能力を宿した同シリーズのコンポーネントは、変化の速いデジタルファイル再生のスタイルに呼応するように進化を続けていた。

 ここで紹介するのはシリーズ最新鋭モデル「UD-505」。本機は評価の高かったUSB DAC/ヘッドホンアンプの「UD-503」の基本設計をベースに、スペックや機能を大幅にアップグレードさせたモデルだ。

 ぱっと見の第一印象は抜群に良い。デザインは武骨でカッコ良く、小型な筐体ながら4.2kgもある重量ボディを手にとると、今まであまり感じたことのないほど剛性感がある。

 本機で一番の魅力は、旭化成エレクトロニクス製のDACチップ「VERITA AK4497」を左右チャンネルに1基ずつ搭載したことだろう。まさかこのコンパクトなボディに最新鋭のフラッグシップDACチップをデュアルで搭載する製品が現れるとは思わなかった。

 さらに電源部からアナログ出力段にいたるまでデュアルモノーラル構成を採用。伝送はフルバランスで、大容量トロイダルコア電源トランスの搭載など、アナログ部の充実具合は書ききれないほどだ。

 ヘッドホン出力は、2基の6.3mm標準端子に加え、新たに4.4mm5極端子によるバランス接続規格に対応するペンタコン端子を採用。クロックは44.1kHz系と48kHz系の内蔵クロックに加え、10MHz専用の外部クロック入力にも対応するなど隙がない。

画像: リア側の入力端子は左寄りがアナログで、右寄りがデジタルに分かれて配置されている。アナログ側の下段は出力端子で、上段の入力端子はアンバランスのみ。デジタル入力はリア側に3系統配備しているが、USBマイクロB端子はメンテナンス用となる。10MHz専用のワードクロック入力端子(BNC)も1系統備える。Bluetooth再生も可能で、コーデックはLDAC、aptXに準ずる

リア側の入力端子は左寄りがアナログで、右寄りがデジタルに分かれて配置されている。アナログ側の下段は出力端子で、上段の入力端子はアンバランスのみ。デジタル入力はリア側に3系統配備しているが、USBマイクロB端子はメンテナンス用となる。10MHz専用のワードクロック入力端子(BNC)も1系統備える。Bluetooth再生も可能で、コーデックはLDAC、aptXに準ずる

 気になるUSB入力での対応レゾリューションは、UD-503から大きく飛躍を遂げて、ついにPCM 768kHz/32bit、およびDSD 22.6MHzを達成した。また、話題のUSB転送技術「Bulk Pet」(バルクペット⇒詳細記事はこちら)に対応したのも特筆点となる。

画像2: 「UD-505」はDSD 22.6MHz、PCM 768kHz/32bitに対応する超ハイスペック機

 無償配布されているティアック純正の再生ソフト「TEAC HR Audio Player」をMacBook Proにインストールし、11.2MHz DSD音源のジャコ・パストリアス『Truth, Liberty & Soul』を再生した。

画像: ティアックは専用の再生ソフトウェア「TEAC HR Audio Player」を用意している。Windows/Mac両方があり、対応サンプリング周波数は同じだ(画像はMac版)。これまではDSDは11.2MHzまでの対応だったが、先日のアップデートでDSD 22.6MHz、PCM 768kHz/32ビットまでに対応できるようになった。同社他製品でも使えるソフトウェアだが、再生できるサンプリング周波数はDACに依存するので注意いただきたい

ティアックは専用の再生ソフトウェア「TEAC HR Audio Player」を用意している。Windows/Mac両方があり、対応サンプリング周波数は同じだ(画像はMac版)。これまではDSDは11.2MHzまでの対応だったが、先日のアップデートでDSD 22.6MHz、PCM 768kHz/32ビットまでに対応できるようになった。同社他製品でも使えるソフトウェアだが、再生できるサンプリング周波数はDACに依存するので注意いただきたい

 まずは、従来通りのアイソクロナス転送で試聴する。一聴して音が立体的でベースの描写が明瞭だ。情報量が多く、それに裏付けられたしっかりとした輪郭表現も特徴といえる。バルクペット伝送に切り替えると、アイソクロナス伝送で感じた立体感のある音に加えて、全帯域にわたり力感が出てくるから面白い。トランペットのグイグイと前に出てくる表現力は魅力がある。4つのモードを切り替えると音調が変わり自分好みの音で聴けるのも良いところ。

 シリーズの最新鋭機にふさわしい、期待を超えた実力を誇る1台だ。

画像: UD-505はUSBの新たな転送方式「バルクペット」に対応。転送方式についての詳細は140ページをご覧いただきたい。「TEAC HR Audio Player」の最新バージョンにはすでに組み込まれており、従来のアイソクロナス転送とバルクペット転送(モード1~4)を簡単に切り替えられる

UD-505はUSBの新たな転送方式「バルクペット」に対応。転送方式についての詳細は140ページをご覧いただきたい。「TEAC HR Audio Player」の最新バージョンにはすでに組み込まれており、従来のアイソクロナス転送とバルクペット転送(モード1~4)を簡単に切り替えられる

この製品で聴いた曲

「Invitation」
ジャコ・パストリアス
DSD 11.2MHz アルバム 『Truth,Liberty&Soul』より

画像: この製品で聴いた曲

D/A Converter+Headphone Amplifier
TEAC
UD-505
オープン価格(実勢価格14万8000円前後)
●接続端子:アナログ音声出力2系統(RCA、XLR)、デジタル音声入力3系統(同軸、光、USBタイプB)、アナログ音声入力1系統(RCA)、10MHzワードクロック入力1系統(BNC)、ヘッドホン端子3系統(標準フォーン×2、4.4mm5極バランス)●ヘッドホン対応インピーダンス:16~600Ω●寸法/質量:W290×H85×D249mm/4.2kg●備考:3.5mm光/同軸デジタル入力兼用端子あり

UD-505の製品紹介ページ
https://teac.jp/jp/product/ud-505/top

ネットワーク再生もできるNT-505

画像: ネットワーク再生もできるNT-505

同時発売のNT-505はUSB DAC機能に加えて、ネットワーク再生機能を追加したモデル。デジタルファイル再生はUSBタイプB入力ではDSD 22.6MHz、PCM 768kHz/32ビットまで、ネットワーク再生ではDSD 5.6MHz、PCM 192kHz/24ビットまでに対応する。こちらもバルクペット転送が可能で、さらにTIDALやQobuzにも対応する次世代モデルといえるだろう(DigiFi編集部)

Network Player+D/A Converter
NT-505
オープン価格(実勢価格16万8000円前後)

NT-505の製品紹介ページ
https://teac.jp/jp/product/nt-505/top

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