Bluetoothヘッドホン「RP-HD600N」は、最新コーデックに対応しノイキャン機能も備える

画像: Bluetoothヘッドホン「RP-HD600N」は、最新コーデックに対応しノイキャン機能も備える

 パナソニックRP-HD600N(以下、HD600N)は、ハイレゾ相当の再生&ノイズキャンセリングに対応したワイヤレスヘッドホン。40mm径ドライバーは超多層フィルム(MLF : Multi Layer Film)を採用しており、玉虫色の光沢が特徴的だ。数百層に重ねられたフィルムが余計な残響を軽減するとともに、ワイドレンジで分解能の高い再生を実現するという。

画像: 数百層にも重ねた超多層フィルム(MLF:Multi Layer Film)振動板がハイレゾ音源の持つ高域特性を存分に再現できるという

数百層にも重ねた超多層フィルム(MLF:Multi Layer Film)振動板がハイレゾ音源の持つ高域特性を存分に再現できるという

 このHDドライバーを支える制振フレームは新開発されたもので、制振性を向上させることにより、さらなる音場感の拡大を図っている。3Dボールジョイント機構を採用したイヤーパッドの装着感のよさやシンプルなハウジングのフォルムは、ビジネススーツに合わせてもよし、女性のカジュアルな装いに合わせてもよし、幅広いシーンにハマりそうだ。

 ワイヤレスでハイレゾ相当の再生を可能にしたのは、aptX HDおよびLDACコーデックへの対応。前者は48kHz/24bitまで、後者は96kHz/24bitまでの信号を伝送することができる。ノイズキャンセリング機能はフィードフォワード方式(マイクをハウジング外側に配置)とフィードバック方式(マイクをハウジング内側に配置)の両方を採用。計4つのマイクが環境に合った3種のノイズキャンセリングモードを生成する。

画像: 新開発となる強固な制振フレームは、不要な振動を抑制し、音場感の再現にも優れるとしている

新開発となる強固な制振フレームは、不要な振動を抑制し、音場感の再現にも優れるとしている

 なお、今回発売されたHDシリーズは2モデル。RP-HD600Nは上位モデルにあたり、下位モデルのRP-HD500B(以下、HD500B)との機能的な違いはノイズキャンセリング機能の有無のみ。これが省略されているためか、連続再生時間はHD500Bの方が長い(約35時間、HD600Nは約20時間)。本体カラーは、HD600Nはブラック、オリーブグリーン、マルーンブラウンの3色、HD500Bはブラック1色のみ。

音場重視のソニーに対してパナソニックは音像重視

 今回は、機能的/グレード的にHD600Nとライバル関係にあるソニーWH-H900N(以下H900N、実勢価格3万3千円前後)も用意し、比較試聴を行なった。

画像: 比較試聴したライバル機 SONY h.ear on 2 Wireless NC WH-H900N オープン価格 (実勢価格3万3,000円前後)

比較試聴したライバル機
SONY
h.ear on 2 Wireless NC
WH-H900N
オープン価格
(実勢価格3万3,000円前後)

 端的に言うと、広々とした音場に滑らかな音像が浮かび上がるH900Nに対して、HD600Nのキャラクターは音像重視のキビキビ系。超多層フィルムを使ったドライバーの効能か、残響成分が少ないデッドな空間に鮮度の高いヴォーカルが勢いよく張り出す。分離もよく、コーラスのレイヤー感まで細かく再現するモニターライクなサウンドだ。

 ノイズキャンセリング機能3種は、A=強/B=中/C=弱という効き目の違いがかなりわかりやすい。地下鉄に乗った際に試してみたのだが、A使用時には電車のモーター音や風切り音はほとんど感じられなかった。オン/オフによる音への影響は思ったほど大きくないが、やはりオフ時の方が音像の彫りが深く、奥行方向の見通しが向上するのがはっきりと聴き取れる。

 ここまではiPhone SEとSBC接続して、Spotifyアプリでコーネリアス「夢の中で」を聴いた印象。次にソニーのハイレゾウォークマンNW-ZX300を使って、LDACによるハイレゾ相当の音も聴いてみた。

 96kHz/24bitの同曲をZX300からHD600Nで再生すると、先ほどの印象をさらにソリッドに突き詰めたキレ味のいい音が流れ出す。音場は引き続きタイトながら不足感はなく、奥行も豊か。ヴォーカルの息づかいも、より生々しく感じられる。送り出しの音源そのものの質の高さがストレートに描き出された格好だ。

 同じ条件でヘッドホンをH900Nに替えると、リズム隊のアタック感や厚みが増すが、音像がHD600Nよりもかなり遠くにある印象。HD600Nのモニターっぽいキャラクターが際立つ結果となった。

 ノイズキャンセリング機能搭載のワイヤレスヘッドホンといえば、ソニーのほかボーズにも人気モデルがラインナップされている。はっきり言ってパナソニックのヘッドホンが入り込む余地は残されていないような気がしていたので、その堂々とした正統的な鳴り様には心底驚かされてしまった。さまざまなユーザーのさまざまなワガママに応えてくれるワイヤレスヘッドホンとして、市場で定番的な人気と評価を得る日はそう遠くないと感じた。

画像: 携帯するのに便利なスイーベルおよび、折りたたみにも対応する。また本機以外にもノイズキャンセリング機能非搭載モデルのRP-HD500B(実勢価格2万6,000円前後)がラインナップされている。こちらのモデルもLDACとaptX HDに対応する

携帯するのに便利なスイーベルおよび、折りたたみにも対応する。また本機以外にもノイズキャンセリング機能非搭載モデルのRP-HD500B(実勢価格2万6,000円前後)がラインナップされている。こちらのモデルもLDACとaptX HDに対応する

WIRELESS HEADPHONE
Panasonic
RP-HD600N
オープン価格(実勢価格3万3,000円前後)
●型式:密閉型●使用ユニット:ダイナミック型40mm●再生周波数帯域:4Hz〜40kHz●インピーダンス:38Ω●出力音圧レベル:99dB/mW●Bluetoothバージョン:4.2●Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX HD、LDAC●カラリング:ブラック(写真)、オリーブグリーン、マルーンブラウン●付属品:3.5mmステレオミニ端子ケーブル(1.2m)、USBケーブル(タイプA-マイクロB/0.5m)ほか●質量:268g(本体)

RP-HD600Nの製品紹介ページ
https://panasonic.jp/headphone/products/hd600_500.html

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