ズールー語で“家”を意味する新型スピーカー誕生

 株式会社ステラは、7月15日に恒例の新製品発表会を開催した。今回登場したのは、VIVID audio(ビビッド・オーディオ)の新スピーカー「KAYA」シリーズだ。ラインナップは以下の通りで、3種類のスタンダード色(マットオイスター、パールホワイト、ピアノブラック)に加えて、希望の色に仕上げてくれるオーダー色も準備されている。発表会では上位2モデルの「KAYA 90」と「KAYA 45」のデモが行なわれた。

 

画像: 写真左がKAYA 90で右がKAYA 45。型番の数字はキャビネットの容量(リットル)

写真左がKAYA 90で右がKAYA 45。型番の数字はキャビネットの容量(リットル)

VIVID Audio
KAYA 90
 ¥3,200,000(ペア、スタンダード色)+税
 ¥3,400,000(ペア、オーダー色)+税
KAYA 45
 ¥2,100,000(ペア、スタンダード色)+税
 ¥2,300,000(ペア、オーダー色)+税
KAYA 25
 ¥1,100,000(ペア、スタンダード色)+税
 ¥1,300,000(ペア、オーダー色)+税
KAYA S15(価格未定)
KAYA C15(価格未定)

 今回は、ビビッド・オーディオのCEOフィリップ・グーテンダーク氏や設計者のローレンス・ディッキー氏、インターナショナルセールス担当のジェローム・ハンナ氏も来日、オーディオファンとの交流を図っていた。

画像: 左からローレンス・ディッキー氏、フィリップ・グーテンダーク氏、ジェローム・ハンナ氏

左からローレンス・ディッキー氏、フィリップ・グーテンダーク氏、ジェローム・ハンナ氏

 そしてKAYAシリーズについて、ローレンス・ディッキー氏が詳しく解説してくれた。ちなみにKAYAとはズールー語(ビビッド・オーディオの本社がある南アフリカ共和国の主要言語)で“家“という意味で、このシリーズはプライベートな空間で、ゆったりと音楽を聴くために設計されたそうだ。

 KAYAシリーズの特長は、GIYAシリーズ等で採用されているテーパーチューブ・ローデッド・リフレックスを採用しつつ、比較的コンパクトで馴染みやすいデザインに仕上げている点にある。テーパーチューブ・ローデッド・リフレックスはウーファーにアブソーバーホーン(チューブ)を採用することでキャビネット内部のエネルギーを減衰させ、低域の再現性を改善する技術だ。

 GIYAシリーズではそのアブソーバーホーンをキャビネット上側に配置し、独得のデザインに仕上げていた。しかし今回はエンクロージャー内部にアブソーバーホーンを内蔵、外観をすっきりさせている。なおKAYAシリーズのデザインは同社として初めて、外部デザインコンサルタントに依頼しているそうだ。

画像: KAYA 45の内部構造。図中央・左側の斜めの仕切りがアブソーバーホーンとして動作する

KAYA 45の内部構造。図中央・左側の斜めの仕切りがアブソーバーホーンとして動作する

 その他の特長として、3ウェイ機であるKAYA 90とKAYA 45には新開発のミッドレンジユニット「C100se」が搭載されている。これは300Hzから3kHzまでを受け持つ10cmのコーン型ユニットだ。しかし10cm振動板でこの帯域を再現するとどうしても指向性が限られてしまい、トゥイーターの「D26」(GIYAシリーズと共通)との差が耳についてしまう。

 そこでKAYAシリーズではウェーブガイドを設けてトゥイーターの指向性を狭め、ミッドレンジとの違和感をなくすとともに、音の世界に引き込まれやすくなるよう配慮している。

 なおウーファーユニットの「C125L」はGIYAシリーズG4-S2に搭載されているものと同じで、KAYA 90には4基、KAYA 45には2基搭載されている。これをキャビネット側面に背中合わせに配置して金属製のロッドで結合、ウーファーの反作用を打ち消し合うリアクション・キャンセル・マウント方式で取り付けている。

画像: 『ハリ・ベラフォンテ〜』のレコードをかける西川氏

『ハリ・ベラフォンテ〜』のレコードをかける西川氏

 さて発表会の後半では、KAYA 90をメインに据えたアナログレコード試聴会も行なわれた。プレーヤーはテクダスのAirForce III Premium、フォノイコライザーはCHプレシジョンP1、アンプはコンステレーションオーディオのVIRGO III+CENTAUR IIという豪華システムだ。

 なお同社会長の西川英章氏によると、AirForce IIIは、オーダーの8割近くがPremium仕様になっているそうで、それも踏まえて現在の受注分でAirForce IIIの通常モデルは販売を終了、Premium仕様に一本化するそうだ。

 そしてここから西川氏が選んだレコードが次々と再生された。『documenti del barocco-venezia』や『MISTY』『UNFORGETTABLE』といった名盤はもちろん、小社から復刻版を発売した『ハリ・ベラフォンテ/カーネギーホールコンサート』や『テレサ・テン』のラッカー盤といった貴重な音源も聴かせてくれた。

 今回は200人近いお客さんがつめかけていたが、KAYA 90はそんな広い会場でもよく通る声や、迫力あるキレのいい低音を再現し、アナログレコードの魅力を充分に楽しませてくれた。

画像: サラウンド用のKAYA S15とセンター用KAYA C15

サラウンド用のKAYA S15とセンター用KAYA C15

 なお先述したようにKAYAシリーズには、2ウェイ機「KAYA 25」やセンター用の「KAYA C15」、サラウンド用の「KAYA S15」もラインナップされており、マルチチャンネルへの展開も可能だ。KAYA 25は今年の暮れ頃、KAYA C15とKAYA S15は2019年初頭の発売予定とのことなので、こちらも楽しみに待ちたい。

ステラのサイト
https://www.stella-inc.com/

ビビッド・オーディオのページ
https://www.stella-inc.com/vivid/index.html

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