画像: エラックのアクティブスピーカー「AM200」は使ってみる価値あり。高レスポンスで明瞭、中低域の表現が魅力的

 エラックの「AM200」は、アクティブタイプの2ウェイ・バスレフ型スピーカーである。本機はマルチアナログアンプ構成で電源部にトロイダルトランスを採用している。アンプモジュールにはTI製の「LM4780TA」が使われ、最大出力は80W。高域ユニットには上位パッシブ型機にも使われているJETⅤツイーターをあてがい、ウーファーは15cmアルミハイブリッドコーンを採用している。

 入力ゲイン調整と設置状況によってフィルター特性の選択が可能で、XLR端子はフォーンプラグも使用できるコンボジャックを装備。背面の銘板にプロフェッショナル・アクティブ・モニターと書かれている通り、プロユースにも配慮した設計と言えるだろう。デジタル入力は同軸と光をそれぞれ1系統を備え、PCM 192kHz/24bitの信号に対応する。

画像: AM200はエラックの代名詞ともなったJET(JET Emission Transducer)ツイーターの第5世代であるJETⅤを採用する

AM200はエラックの代名詞ともなったJET(JET Emission Transducer)ツイーターの第5世代であるJETⅤを採用する

画像: 入力端子はアナログ(XLR、RCA)とデジタル(同軸、光)を装備。DACはシーラスロジックの「CS4392」、インプットレシーバーは「CS8416」で、192kHz/24ビットまでのデジタル信号入力とパススルーにも対応する。試聴位置1m未満のニアフィールド(NF)、2m程度のミドルフィールド(MF)、自立使用に適したリニア(LIN)など、設置状況にあわせ5ステップで調整できるフィルターを備える

入力端子はアナログ(XLR、RCA)とデジタル(同軸、光)を装備。DACはシーラスロジックの「CS4392」、インプットレシーバーは「CS8416」で、192kHz/24ビットまでのデジタル信号入力とパススルーにも対応する。試聴位置1m未満のニアフィールド(NF)、2m程度のミドルフィールド(MF)、自立使用に適したリニア(LIN)など、設置状況にあわせ5ステップで調整できるフィルターを備える

 試聴は筆者の部屋で行なった。ソース機器は可変出力が可能な、オッポデジタルのBDP105DJP。このアナログ音声出力をボリュウム機能を活かした状態で本機と直結した。まず、ゲインとフィルター特性は、(+)4dBとLIN(リニア設定)とした。入力端子は比較試聴の結果、アンバランス入力を選択している。

 試聴距離は2mに設定し、まずはクリス・ボッティのCD『To Love Again』から、スティングが歌う「What Are You Doing The Rest Of Your Life? 」を聴いてみた。楽曲の序盤で感じたのは、そのレスポンスのよさで、音のひとつひとつが明瞭で聴きやすい。スティングのヴォーカルもふくよかさを抑えつつ、奥行のある中低域の表現が魅力的だ。

 ただ、もう少し低音のニュアンスに表情が欲しいと感じたので、フィルターを調整してみたところ、筆者の環境ではNF(ニア・フィールド)がちょうどよかった。ヴォーカルの響きが豊かになり、自然にロールオフしていく低音の質感が気持ちいい。こういった機能はピュアオーディオ的には邪道と思われるかもしれない。しかしスピーカーの設置環境によって音が変わるし、ルームアコースティックを整えるのは簡単ではないので、使ってみる価値はあるだろう。

 本機は小型ながら鳴りっぷりのよさが魅力だ。それを活かすために7.5kgという重量をしっかりと支えられる置き台か、スピーカースタンドを用意した方がいいだろう。

ACTIVE SPEAKER SYSTEM
ELAC
AM200
¥200,000(ペア)+税
●型式:パワーアンプ内蔵2ウェイ2スピーカー・バスレフ型
●使用ユニット:JET型トゥイーター、150mmコーン型ウーファー
●内蔵アンプ最大出力:80W
●接続端子:アナログ音声入力2系統(XLR、RCA)、デジタル音声入力2系統(同軸、光)、デジタル音声出力1系統(同軸)
●カラリング:バイカラー(ブラック+ホワイト)
●寸法/質量:W198×H292×D280mm(ヒートシンク含む)/7.5kg

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